「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「ムスカリと古木」

2014-04-02 21:49:49 | 和歌

 春の日差しを浴びてムスカリが、「うつろ庵」の庭先に咲いた。

 細い花茎の頂きに、小さな壺花が四・五十個ほども咲く姿は、何とも可憐だ。
テラスの縁に置いた古木の、節くれだった木目や節穴も、ムスカリの囁きに耳を貸す風情で、そんな姿を朝夕愉しむ虚庵夫妻である。



 花壇を管理する虚庵夫人が、何年前に植えたものだろうか。 毎年この時節には、しどけなく撓んだ細葉の中から花茎を伸ばして、律儀にも小さな壺花をかかげて春を知らせてくれる。
 

 「うつろ庵」の花壇には、虚庵夫人が次々と各種の花を植えて、愉しんで来た。彼女はそれぞれの花時を計算し、設計していたとは思われないが、結果的には年間を通して様々な花が、目を愉しませて呉れる。

 ムスカリに先だって既に、福寿草・クリスマスローズ・水仙・ヒマラヤ雪の下・かたばみ・地梨(草木瓜)などが咲いた。花壇の草花に和して、四季咲きの薔薇・白梅・蘇芳梅・藪椿・吉備椿・雪柳・白椿の「うつろ庵の雅」等の花木がこれに趣きを添えて来た。

 ヒヤシンス・紫蘭・ブルーベリーなど、開花が待ちきれぬ風情だ。


           しどけなき細葉が絡むにいや細き

           花茎けな気に壺花かざしぬ


           稚けなき小さな壺花四・五十も

           かざしてムスカリ咲きにけるかも


           春の陽を浴びてのどけく語らふや

           ムスカリ壺花 古木の節穴


           律儀にも三寒四温はものかわと

           ムスカリ健気に春を告げにし







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