「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「木瓜鉢のハブランサス」写真追加

2014-07-09 15:34:34 | 和歌

 木瓜(ぼけ)の鉢に、思いもかけず「レインリリー」が咲いた。

 俗称が「レインリリー」、本名は「ハブランサス・ロブスタス」。 長い名前で覚えるのが難しいので、梅雨と合わせて「レインリリー」の俗称が記憶に残っていた。

 今回の掲載に際して改めて調べたら、「レインリリー」の俗称は他の花でも使われていることが判明した。「たますだれ」の仲間のゼフィナンシス、或いはサフラン擬きも同じ俗称で呼ばれているようだ。それらの花の色は濃い目で受け咲き、即ち上を向いて咲くが、「ハブランサス・ロブスタス」は花首を傾けて横向きに咲き、花の色はごく淡い上品なピンクだ。

 中南米原産で、地球の反対側の日本まで嫁いできた「ハブランサス・ロブスタス」には、敬意を表して本名で呼ぶか、せめて「ハブランサス」と紛れのない名前で呼ばないと失礼ではないか。 反省しきりの虚庵居士だった。

 ハブランサスは咲いた後に、子房をふくよかに膨らませ、種子を身籠る。その種子にはごく薄い翼が備わっているので、子房が枯れて割れれば、種子が溢れ出て風に舞い、思わぬ処まで飛翔する。そんな種子の一片が、木瓜の鉢に舞い降りて、根を下ろしたものであろう。

 鉢類の手入れと管理は専ら虚庵夫人のお愉しみの領域ゆえ、これまで気が付かなかった。
さは申せ、数ある鉢とはいえ狭い庭の中でのこと、木瓜の鉢から細長い葉が垂れれば、ハブランサスの着床に気付いた筈だが、観ても見えずとは・・・。

 そぼ降る小雨に濡れてハブランサスが花開き、「あれまあ!」 と歓喜の声をあげたじじ・ばばであった。

 木瓜(ぼけ)の花が咲いたのは、二・三月頃だった。花が散った後の木瓜の鉢は、庭木の柘植の根方にご隠居願っていたが、ハブランサスの開花で、急きょテラスに
お出まし願った次第だ。 「ご都合主義だね」との声が聞こえそうだ・・・。

 

 (以下追記・写真追加)
 アップロードして未だ日も浅いが、一気に沢山のハブランサス・ロブスタスが咲いた。彼女らの折角の協演ゆえ、写真を追加して皆様にもご覧に入れたい。

 



           何時の間に木瓜の根方に根付くらむ

           レインリリーの開花に愕く


           風に舞ふレインリリーの種子一つ

           木瓜を頼るや細葉を伸ばして


           改めて花の名前を調べれば

           「ハブランサス・ロブスタス」とぞ


           いとしくもハブランサスの咲きぬれば

           濡れるを厭わず鉢を抱えぬ


           花びらの幽かな雫の煌めきは

           ハブランサスの歓喜のふるえか







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