「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「うつろ庵の葡萄棚」

2014-07-08 01:54:13 | 和歌

 「うつろ庵」の葡萄が葉を茂らせ、葡萄棚の雰囲気を備え始めた。

 庭の隅に設えた「虚庵居士の棺桶ベンチ」の日除け簾に代えて、葡萄の枝葉に
日除けを委ねたことは、「葡萄の若葉」でご紹介した。
                     (↑クリックすればリンク先が表示されます)



 「棺桶ベンチ」に腰を下ろせば、眼の前に紅ばらが咲き乱れ、日除けが欲しい午後になれば、葡萄棚の木蔭を吹き抜ける涼風が、誠に快適だ。グラスを手に酩酊気分を堪能し、時には虚庵夫人の「お薄」サービスもこのベンチで頂けるとあって、虚庵居士のお尻にはこの「棺桶ベンチ」に根が生えた様に、座り続けることになる。



 朦朧と「棺桶ベンチ」に坐して、あの世とこの世を往き来する虚庵居士だが、ふと見上げれば葡萄の房々は、小粒ではあるがかなり大きく成長した。

 カナブンの猛攻撃に備えて、新聞紙と糊で紙袋を作った。一坪にも満たない葡萄棚ではあるが、袋の数はなんと250枚を超えた。本来であれば、葡萄の房は適宜数を減らして、房の成長を促すのがプロ流であろうが、虚庵居士は葡萄の意思を尊重し、総ての房々に袋を掛けた。 秋の収穫が愉しみだ。




           板二枚の簡素な手作りベンチなれど

           ここが虚庵の 竟の座所かな  


           いと狭き庭の片隅 ベンチに坐し

           來住(きし)かた行く末思ひを重ねつ


           眼の前に滾り咲くかな紅ばらは

           いまだに熱き 爺の思ひを


           朦朧と酔いにけらしもベンチにて

           坐せば癒しぬ葡萄の木陰は


           見上げれば葡萄の房々垂れ下がり

           いとしかりけり まもるは爺ぞも







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