「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「六ヶ所村の野花 その五 犬胡麻」

2009-10-20 22:17:18 | 和歌

 六か所村の草叢には、沢山の野花が咲いていたが、背丈の高い草に埋もれるように、可憐な小花が
咲いていた。

 仄かに赤みを帯びた小さな唇形花は、一つづつでは目立たぬ存在だが、対葉の付け根に群れ咲いて、あたかも乙女らが車座になって笑転げるかに見えるのが、何とも微笑ましい。受け唇と、ほっぺを膨らませたかに見える表情も、あどけなさが漂っていて愛らしい。





            乙女ごの声をも聞かましほほ染める             
            夢をも見まほし叢に坐して 


            車座の乙女ら 笑い 転げるや

            肩抱きあふや 群れ咲く小花は
 



 それにしても草原には、沢山の種類の野花が咲き、数多の生き物がそれぞれに支え合って命をつなぎ、無言のうちに己の生を全うしていることか。やがて朽ちて土となり、大地に還っていく彼・彼女たちを思えば、我身もまた同じ道を歩みつつのだ。この先何年の人生かはしらねど、六ヶ所村の草原が、何故かすっぽりと虚庵居士を包んでくれているような、不思議な安らぎを覚える小半時であった。                     
           

            生い茂る草葉の織り成す叢に

            命を託すか 小鳥も 虫らも


            たまきはる命を育む叢を

            褥となして独りかも寝む







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2 コメント

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Unknown (へぶらいびと)
2009-10-22 21:07:55
ご無沙汰しております。益々お元気にご活躍の様子、何よりです。
私も毎年六箇所には行っています。といっても遊びですが・・・。今年は六ヶ所カントリーでプレイしました。
いつも六趣を大量に仕入れて帰ります。
早く完成祝いでこの地を訪れたい物です。
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「竣工への期待」   (虚庵)
2009-10-24 00:27:12
かつて「へぶらいびと」様に献呈した歌が、 懐かしく想い出されます。
「完成祝い」にかける並々ならぬ「憶」と、
「六趣スペシャル」の淡麗極まる酔い心地が重なる思いです。

今年の研修会では、「大ちゃん」と組んで技術者へ
「最後の砦となれ」とのメッセージを伝えました。

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