「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「うつろ庵のプランバーゴ」

2009-10-24 19:48:57 | 和歌
 
 「うつろ庵」の珊瑚樹の生垣を背にして、プランバーゴが白い小花を咲かせている。秋も深まると、珊瑚樹の葉は緑が濃くなって、光線の加減によれば黒味を帯びてくるが、それが却ってプランバーゴを浮き
立たせて、絶妙な取り合わせだ。

 夏の間にたっぷりと葉緑素を貯め込んだ珊瑚樹の葉は、やがて得も言われぬ見事な紅葉を見せてくれる。その様な葉が一・二枚、この中に加わればこの上ないのだが、そこまでネダルのは欲張りと云うものであろう。

 プランバーゴの別名は、「瑠璃茉莉・るりまつり」という。瑠璃色の花を咲かせるプランバーゴが多いので、この名前が付けられたのであろうか。夏の盛りから晩秋まで長期に亘って咲き続け、目を愉しませてくれるが、それにしては、花の後の花殻なども残さずに、身綺麗な姿を保つのには感心させられる。

 花も人間も、花時を過ぎた後の姿は爽やかに保ちたいものだ。虚庵居士は若い時代ですら、花ある
人生を送れたか否かは甚だ頼りないが、せめて老境に達したこれから後の人生は、身支度のみならず、
よろず身の回りを爽やかに保ちたいものだ。プランバーゴには「無言の訓」を頂く此の頃である。





            吹き出でる額の汗を手で拭い

            ”やあ ”との挨拶プランバーゴに


            何時しかに長袖シャツの腕を挙げ

            プランバーゴと目配せ交わすも


            珊瑚樹の色濃き中に浮き出でる

            プランバーゴは身綺麗にして


            歳を経てわが身のけがれを拭わむと

            小花のおしえを頂く今日かも
 





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