「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「珊瑚樹とアオバ羽衣」

2006-09-23 16:14:17 | 和歌

 「うつろ庵」の生垣の珊瑚樹は、鮮やかな珊瑚色に色づいた実房を輝かせて、誇っているかのように見える。

 本来なれば、珊瑚の実房が沢山垂れ下がって、壮観となるはずであったが、今年は春先から、白い綿を身にまとった「アオバ羽衣」の幼虫が異常発生して、樹液を吸われたためだろうか、写真の実房の他は実数が極端に少なかった。
 
 「アオバ羽衣」の幼虫は五・六匹が群れを成して、珊瑚樹や甘夏の、日陰の目立たない細い枝先に取り付いていた。枝に触れると四・五ミリの幼虫は、かなりの距離に飛び跳ねて四散する。後には白い粉が残るが、葉にも枝にも傷らしいものも見当たらぬので、駆除もせずに放置したら、いまや体長一センチ程の成虫に生長した。羽衣の名前の通り、薄いナイルブルーの羽は優雅で気品すら漂っている。

 彼らは樹液を吸い続けて生長したが、被害は珊瑚樹の実房のみならず、甘夏にも及んでいた。実がある程度大きく目立つようになったら、例年の半分以下の数だと判明した。
油断大敵を「アオバ羽衣」に訓えられた。






             台風の余波ふき渡る秋彼岸

             キラメキ 揺るる 珊瑚の実房は



             みどり葉に珊瑚の粒の煌めけば
   
             鄙の庵も華やぎにけり   



             白妙の産着を脱ぎ捨て雅なる 
  
             舞ぞ見まほしあおば羽衣          






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