「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「金木犀」 

2006-09-24 14:23:28 | 和歌


 玄関を出たら、金木犀の香りが漂ってきた。

 これまで気付かなかったが、何時の間にか橙色の小さな花を咲かせていた。枝先の葉の付け根に控え目に花をつけるので、毎年のことながら、香りが「咲きましたよ」と伝えてくれるまで、気が付かないうつけ者だ。それほど数多くも無い庭木が、精一杯花を咲かせてくれるのだから、庵の主としては夙に気付いて、慈しむのであれば褒められもしようが、何時もながら迂闊なことである。

 かつて友人に教えられて、「金木犀リカー」を仕込んだことがあった。散る間際の花を集めて、ホワイトリカーに漬け込むだけの到って簡単なものだが、金木犀の香りが愛おしく、カクテルに少しづつ入れて、かなり長いこと愉しんだ。今年もまた、
楽しめそうだ。

 郷里に住んでいる老境の兄に、「金木犀リカー」を送ってやったら何と言うだろうか。
粋なプレゼントになるかもしれない。






             香り来てそれと知るかな木犀の
   
             花咲きにけり彼岸の中日に   



             木漏れ日のさし来て香る木犀の 

             花ひそやかに咲きにけるかも



             木犀の花の香りを故郷の

             兄に届けむリカーにとどめて






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4 コメント

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金木犀のカクテル♪ (サバンナ)
2006-09-25 19:19:12
こんにちは!



金木犀の香り。。。。

今朝、久しぶりにいつもと違う道を歩いてバス停に向かっていましたら、

どこからともなく甘く優しい香りが。。

とあるお家の庭の金木犀が枝いっぱいに花を付けていたのでした。

多忙な日々を送っていて、

秋がしずかに近づいてきたことを、

忘れていて、

花の香りにそれをそっと教えてもらったような気がしました。



自然の歩みは静かですが、確かなものがありますね。

歩いていると、木々や風が私になにか話しかけてきました。

「もっとゆっくり、たまにはきれいな空や雲を

みてごらん。。。」」と言っているようでした。

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サバンナ さま   (虚庵)
2006-09-25 21:51:17
風の息吹を 感じ取り

花の香りを 受け止めて



花の風情の ほのかな変化を 

みいだせる そんな人こそ



ひと恋ふる 焦がれる想いを

分かち合える にょしょう にあらずや





  ほのかなる花の香りをきみ召すと

  結びし文に読むぞうれしき





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金木犀の香るころ・・・ (風待人)
2006-09-25 23:23:53
お久しぶりでございます。



北に向けておでかけとのこと。

ご無事を、お祈りしております。



以前、金木犀のことをお話いたしましたけれど



不思議に、この時期になると

道行く先々で、この香りに、ふと出会う

シアワセを感じることができますね…



植物の持っている時計の見事なこと!!







  香りきて  きみの姿を  探すとき



    

     オレンジ光る  金木犀よ  

    



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タダイマ!  (虚庵)
2006-09-30 01:14:04
お歌、有難うございます。



  かへし



  きみ来ると知りせばせめて木犀を

  柴戸に手挟む 香る一枝を 
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