「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「みるく世がやゆら」

2015-06-25 00:05:35 | 和歌

  6月23日 沖縄慰霊の日、沖縄県立与勝高校3年 知念捷(ちねん まさる)君は、
自作の詩 「みるく世がやゆら」を朗読した。← 中日新聞掲載の全文をリンク

 沖縄独特の琉歌(りゅうか)や沖縄方言なども織り交ぜて「みるく世がやゆら」 (未来は平和でしょうか) と繰り返し問いかけた。

 祖父の姉は、沖縄戦で22歳の夫を失った。捷君を孫の様に可愛がってくれた彼女の戦後70年。認知症を患い、戦争と夫の記憶が薄れゆく姿に接し、「戦争の惨めさを少しでも心にとどめ、彼女の気持に寄り添いたい」と詩に綴ったと云う。


           沖縄の慰霊を報じるその中に

           怪訝な言葉 「みるく世がやゆら」??


           婆さまの思ひに寄り添う若者の

           こころに触れぬ 涕ながらに


           沖縄の戦に若き夫(つま)亡くし

           乳飲み子しかと抱きし思ひは


           九十を超える老婆は腰曲り

           夫(つま)呼ぶ唄も 途切れ 途切れに


           頬のしわ伝う涙に哀しみの

           深きを思えば嗚咽をこらえぬ  


           薄れゆく記憶の彼方に恋ふるらむ

           面影おぼろな夫を追いつつ


           繰り返しくり返し問う君の声

           みるく世がやゆら 心に刻みぬ







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