「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「首長なアガパンサス」

2015-06-22 16:36:13 | 和歌

 「うつろ庵」の棺桶ベンチに座ると、眼の前のアガパンサスが満開に咲いて、乙女らのお話が賑やかに聞こえるかと思われるほどだ。



 ほんのチョッとした時間でも虚庵居士は棺桶ベンチに坐して、何も考えずに庭の草花に囲まれ、グラスのワインに陶然とするのがお気に
入りだ。 今日は未だ昼前だったので、少々のワインで我慢したが、夕暮れ時などは酩酊して、あの世とこの世を行きつ戻りつして愉しむのが、何時ものパターンだ。

 それにしても、このアガパンサスと云う花は何とも愉快な花だ。常緑な嫋やかな細い葉の間から、かなり逞しい花茎をスクッと立ち上げ、茎の頂には細長い薄色の花を20数個、ボンボリ状に咲かせるのだ。細長い花たちは微かな風に揺れて、あたかも乙女らが賑やかに会話を交わし、時には笑いさざめくかのようだ。

 花茎は80センチ程、背の高いのは1メートルにも及び、嫋やかな細長い緑葉がこんな逞しい花茎を育むことも愕きだ。地面近くの緑葉の世界とはかけ離れた空間に、ボンボリ花の世界を創り上げるのにも注目だ。
娘たちには、地面から離れた清らかな世界を満喫させたいとの、人情味あふれる親心かもしれない ・ ・ ・。


           嫋やかな細きみどり葉の育むは

           いと首長の花茎にして


           何とまあお首のなが~い花なるや

           ボンボリに咲くアガパンサスかな


           グラス手にベンチに坐せば眼の前は

           アガパンサスの乙女の集いか


           酔いしれる爺の居るのも気に留めず

           お話はずむ乙女達かな


           微かなる風に吹かれて乙女らの

           笑いさざめく声聞くここちぞ


           首長のその先に咲く娘らに

           身を汚すなとは親の思ひか 







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