「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「食用菊」

2006-11-19 23:34:11 | 和歌
   
 虚庵夫人が「食用菊」を調理して夕食に供され、夢中で平らげた。

 深夜になって、キッチンに残りのパックがあるのを知り、急きょカメラに収めた。これまでにも何回か触れたが、虚庵居士の郷里では、亡き長兄が丹精して菊を育て、切花として家族全員で手伝った経験がある。取り残した菊花を摘んで、母は大笊一杯の花びらを熱湯で浸し、砂糖とお酢だけで絶妙の味付けをして、甕に漬け込んだ。正月料理の大好きな一品であった。

 母は虚庵居士が結婚する前に他界したが、私の舌を通して虚庵夫人は母の「菊料理」の味を再現してくれている。

 調理する前の生の菊花は、芳しい香りを放っていた。 堪らずに、花びらをグラスに入れ、酒を注いで「菊酒」を愉しんだ。 「拙著「千年の友」の中で、韋応物の詩に和して詠んだ歌が、懐かしく思い出された。
 




        
                霜露悴百年 時菊独妍華
                物性有如此 寒暑其奈何
                掇英泛濁醪 日入会田家
                尽酔茅簷下 一生豈在多


                霜降れば 草みな悴れ 

            菊のみは 華を誇れる

            時を得て かくはあれども 

            如何にせむ 寒暑の移ろい

            日が入れば 田家に集いて

            英を掇み 濁酒に浮かべ

            酌み交わす 草葺の下 

            この生の 長くはなきに 

            多くをもとめず




               菊酒と心知りたる友しあれば
  
               過ぎ行く日々も豊かなるかな





  

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3 コメント

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菊酒の香り♪ (サバンナ)
2006-11-24 15:42:02
菊のお料理を召し上がったのですね、
晩秋の豊かな食卓!

いつも大忙しの毎日を送っているワタクシには
まるで夢のようなうらやましいお料理です。
薫り高い菊酒、きっと気持ちよく酔われたことでしょう。

わたしはお大根の煮物とか、
一夜漬けとか(葉も漬けます)で季節?を楽しんでいます。(いなかものマルダシですネ)
ゆずも出回り始めましたネ^0^
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「一夜漬け」   (虚庵)
2006-11-24 20:39:15
サバンナ様

このところ超多忙にて、ご無沙汰して済みません。

菊酒、なかなかのお酒です! 
お試し下さい。

お大根の煮物、一夜漬け、お葉漬け!!
ミンナ虚庵居士の大好物デス 
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好きなお総菜一致!^0^ (サバンナ)
2006-11-24 22:42:46
>お大根の煮物、一夜漬け、お葉漬け!!
 ミンナ虚庵居士の大好物デス

わあ、同じですネ!^0^

ワタクシの職場のある三浦半島では今、お大根やブロッコリーがひろーい畑ですくすく育ってます。
この間海岸近くを歩いてましたら、
砂浜に、大根が盛大に干されてました。
青い海と大根。。。なにかユーモラスで親しみを感じる風景でしたヨ。
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