市民講座に出席する道すがら、赤門を経て三四郎池を訪れた。池には、舞い落ちた枯葉を避けて、番いの鴨がゆったりと餌を啄んでいた。池に流れ込んでいる小さな滝では、東京のど真ん中に居ることを忘れ、暫しながれの音に聴き入った。加賀藩主に嫁いだ将軍家の息女のこと、小説の小川三四郎と美禰子のこと、息子と娘の孫の行く末などに思いを馳せつつ・・・。
深き森 深き念を 映し来て
昔を今に伝ふる池かな
池の水はすべてを呑み来て静まれり
浅葱に染まる空をもとどめて
岩間より落ち来る水の音を聴けば
あまたの 憶の 胸に去来す
湧きいずる泉の小さき滝見つつ
幾世隔てぬ 息吹を 聴くかな
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