「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「ウコンと語らむ」

2005-12-23 21:42:31 | 和歌

 今年の二月末、伊豆に河津桜を観に出掛けた。河津川の堤防の道は、桜見物の観光客で賑わっていたが、道路沿いには沢山の出店が商魂逞しく並んでいた。とある店先に、なにやら生姜根のようなものを発見した。尋ねると「生ウコン」だという。

 沖縄では、ウコンの粉末や錠剤に加工したものを、到る所で売っていたが、生のウコンを見るのは初めてであった。専ら沖縄の産物との先入観があったが、伺えば伊豆でも関東でも栽培しているらしい。店のオバチャンによれば、生姜のようにオロシテ、茶さじ一杯程度を毎日服用すれば、肝臓機能の増進には特に効果があるという。物珍しさもあって一袋を土産にした。虚庵夫人は、何も口を挟まなかったが、「またゲテモノをお買いになって」という目付きであった。

 それから暫らくの間は、自ら下ろし金でウコンをオロシ、服用する毎日が続いた。ウコンは漢方薬或いはサプリメントとして、昔から高い評価を受けているが、近年になって抗がん作用が高いとの研究成果が発表されて以来、とみに人気が高いようだ。残りのウコンが数個になって、試みに庭にウコン根を植えた。

 十月の半ば過ぎにアメリカから帰国したら、ウコンが白い群花をつけて迎えてくれたことは、「留守中の花」に書いたので、ここでは省略する。



 



             試みにいとけきウコンを植えたるに

             清しく応えて群花咲かせぬ



             重ね咲くウコンの小花に湛えしは

             乙女の化身の泪にあらずや



             白妙の気高きうこんは化身にや

             とうとき際の息女にあらまし



 年の瀬も押し迫って、ウコンの葉は黄色に枯れ始めたが、寒波が来襲して一気に萎れた。
 根を掘り起こして驚いた。大収穫である。



 



             重ね咲くウコンは小花に泪湛え

             かくもあまたの根を宿すとは



             鬱金に染めにし衣を纏ひなば

             うこんの華の化身にまみえな



             相見なば小花に湛えし涙壺の

             ふかき想いを汲みて語らむ




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