「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「白粉花・おしろいばな」  

2006-09-13 23:36:16 | 和歌

 これ程に、変化の烈しい花を知らない。






 夕暮れともなると、トランペットを吹き鳴らす風情で、それぞれの方向にむけて、咲き競う。
一般的にどんな草花でも花は太陽に向かうが、夕暮れに咲く「おしろい花」であれば、太陽を求めないのは至極当たり前かもしれない。しかも早々に夕陽を受ける花の色は、千変万化だ。素人カメラマンにとって、その色合いをバカチョンカメラで写し撮るのは殆ど不可能だ。

 日本女性の表情の変化自在も、自然の草花の移り行く様を、何時からか身に付けたのではなかろうか。四季の変化の豊かな日本ならではと、虚庵居士には思われるのだが、如何であろうか。

 あくる朝になれば、全ての花は口を閉ざして、儚く散り行く様は、桜の「いさぎよさ」と通じるのではあるまいか。






             夕されば刻を違えず急き咲くや
 
             今宵をかぎりのおしろいばなは 



             宵なれば色競ふらむおしろいの 

             花の命は 明日を待たずも 



             明けぬれば 燃ゆる夕べの証とや 

             花の名残は散りにけるかも 
           





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