「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「真冬に満開」

2015-02-24 12:09:17 | 和歌

  「真冬に満開」を迎える草花は極めて珍しいが、オキザリス・バーシカラーは将に
冬の真っただ中に満開を迎えていた。

 

 オキザリスの園芸種の一つであろうが、鉢植えや庭の片隅に植えられて、紅白の捩じれ模様が何とも可愛いではないか。紅白の捩じれ模様を除けば、花そのものの姿形は普通のオキザリスに良く似ている。

 オキザリスの葉はクローバーによく似て嫋やかだが、オキザリス・バーシカラーの葉のサイズはごく小さく、量も極端に少ない。逆に花の数は鉢に溢れるほどで、園芸種として品種改良を重ねた結果であろうか。

 草木の生命は、根から吸い上げた水分と養分、それに肝心なのは緑葉が受けた
太陽光による「光合成」のエネルギーが、植物には欠かせない。オキザリス・バーシカラーを観れば、余りにも緑葉の量が少ないので、是だけの数の花を咲かせるのに十分な、光合成エネルギーの供給が不足せぬかと心配だ。

 ご覧の通り極めて少量の緑葉と、斯くも沢山の花を咲かせている現実は、生命のバランが取れている何よりの証しゆえ、虚庵居士の心配は単なる杞憂に過ぎないことを思い知らされた。それにしてもオキザリス・バーシカラーの花を咲かせる、逞しいエネルギーには脱帽だ。
 

           襟立てて歩み来たればオキザリス

           バーシカラーは満開なるかな


           厳寒の真冬なれども斯くばかり

           数多の花に愕かれぬる


           オキザリス・バーシカラーの逞しき

           命のみなもと何に依るらむ


           緑葉の光合成エネルギーは

           葉の量少なく僅かならむに


           紅白の花びら捩じれ独特の

           花の模様に見惚れぬるかも