「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「伊豆の曙」

2011-12-28 01:34:28 | 和歌

 年の瀬も迫った先週の週末、お仲間が伊豆高原に参会した。

 エネルギー問題に発言する会の十周年記念会と、一泊研修会を兼ねて皆さんが参集した。虚庵居士はこの会の設立発起人として当初から参加してきたが、斯界の錚々たる皆さんがお互いに刺激しあい、喧々諤々の議論を重ねた十年であった。個人的には普段の活動範囲を超えて、多くの皆様との接点を拡げ、IT世界でのネットワークを展開し、様々な機会をも頂戴した。

 久々にお会いするお仲間ともグラスを重ね、相も変わらず熱い思いを発露して、早々に爆睡した。何時もであればベッドに入るのは、午前二時・三時が当たり前であるが、「些かに酔いにけらしも」などと呟きつつ、二十四時前にベッドに伏せた。

 翌朝、まだ旭もあがらぬ時刻に目覚めた。
思えば、平成23年の新年試筆は「二十四時就寝」であった。どんなに遅くとも「二十四時までにはベッドに入ります」との宣言であったが、新年試筆の誓いは殆ど果たせず、伊豆に来て酔っぱらって、初めて実行できたのかもしれない。

 それにしても、伊豆高原の落葉樹の林を透かしての朝陽は、感激的であった。
パジャマ一枚で冷気も厭わず、カメラを手にしてベランダに駆け出した。
その時の一枚を掲載する。来年こそは「二十四時就寝」を叶え、朝暘に挨拶する毎日を送りたいものだ。



 

          伊豆に来て酔いにけらしもこの宵は

          あまたの議論とさかずき重ねて


          盃の向こうにま見ゆる白髪は

          爺にあらずも 熱きこころは


          幾年を重ねて来るかも年毎に

          老いぬ血気は 何処にはぐくむ


          曙のこの憶いこそ尊けれ

          伊豆の彼方に昇る朝陽は


          こずえすかしはるかかなたにのぼるひに

          おもひをかさねるいずのあさかな