「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「千里丘陵の紅葉」

2011-12-20 12:40:18 | 和歌
                 
               「未定稿」のまま伊豆での研修会に馳せ参じ、
               中途半端な姿を三日ほどさらして失礼しました。
               拙い和歌六首をそえましたので、改めてお楽しみ下さい。

 先週の週末、千里丘陵の真っただ中にある大阪大学に行った。

 千里中央駅からお仲間と一緒に、タクシーに分乗してキャンパスに向かったが、その途上で素晴らしい紅葉の並木が、車窓を飾った。さっそくカバンからカメラを取り出したが、シャッターチャンスを逸した。カメラを構えたまま機会を狙ったが、3人掛けの狭いシートからは見事な紅葉を写すことは及ぶべくもなかった。


             路次様提供 「北千里駅から阪大への途上にて」以下同じ
   
 構内には既に、阪大・近大・東海大・東大などの学生が集まっていて、早速にテーマ別のグループに分かれて、シニアとの対話が始まった。

 対話会に先立って学生たちは、数か月に亘ってシニアとの「往復書簡」を積み重ねて来た。福島事故を踏まえて抽出した技術課題・社会科学問題・政策論など多岐に亘るテーマに付き、それぞれ自分なりの意見を添えてシニアにメールを投げ掛け、これにシニアが真摯に応えるという極めて類い稀な試みであるが、往復書簡を通じて学生たちは事の本質を掘り下げて来た。

 内容的にも文字表現では伝えにくいところを、膝を交えて意見交換したいとの学生の要望に応えて、関東・関西の錚々たるシニアが参加して、更に深堀りする議論が展開された。昼食の弁当を食べながらも熱の籠った意見交換が重ねられ、夕刻まで議論はとどまるところが無かった。最後には、それぞれのグループでの議論をまとめて紹介し、参加できなかったテーマの議論を疑似体験することで、より幅のある意見交換が出来た。

 早朝5時起きして新幹線で駆けつけ、帰宅は午前様になった強行軍で、肉体的にはかなりシンドイ一日であったが、学生諸君の真剣な眼差しと、総ての問題を我がこととして捉えている姿勢に、大きな手応えが感じられ、疲れを癒してくれた。

 「学生とシニアの対話会」を終えてホッとした翌日、お仲間の路次様から素晴らしいプレゼントが届いた。北千里駅から徒歩で阪大キャンパスに向かった途上で写した、紅葉並木の写真である。虚庵居士がカメラに収められなかったことを察知して、お送り下さったかとも思えるタイミングであった。お許しを頂いたのでここにご紹介させて頂く。


 

          千里行けば紅葉並木に埋もれて

          異次元世界に暫し遊びぬ


          紅と黄葉重なるこの道の

          先には燃える対話が控えぬ


          学生とシニアが膝を相交え

          熱き心を交わす今日かも


          原子力の大事故踏まえてこの先を

          我が事として 若者憂いぬ


          次世代に託さむとするシニアと

          若者熱く互いに語りぬ


          紅葉の千里の丘のキャンパスに

          心の炎も燃えにけらしも