「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「Lake Erskine の花々 その二」

2010-08-18 19:15:06 | 和歌

 「ロシアンセージ」の花をカメラで写し、セージに群がる蜂達の「花蜜をむさぼる」姿を、孫と一緒に興味
深く観察した。 

 熊蜂によく似た白い体毛に包まれた蜂は、体長2センチ程もある大型だが、「ずんぐりむっくり」とした
何とも親しみの持てる蜂だ。彼等は滅法ロシアンセージが好きで、花に武者ぶりついて離れない。花蜜を吸い続けるといつの間にか全く動かなくなり、遂には酔いしれた様に片手を離して花にぶら下がったから驚きだ。不思議に思って体に触れると、やおら元の姿勢に戻るところをみれば、人間の酩酊状態と相通じる様だ。呑ん兵衛の虚庵居士としては、仲間を得た思いで暫らく付き合ったら、たちまち夕暮れを迎えた。




 
 夕食前に孫のホームワークを助け始めたら、体の節々に何やら脱力感が感じられたので、チョットだけベッドに入って体を休めようと横になった。ところがどうしたことか寒気がして、毛布にくるまったが寒気は
増すばかりであった。30分ほどしたら、遂には激しい震えが出て、抑えられないまでに症状が悪化した。毛布と掛け布団を追加して、更にはその上から押えて貰うほどであった。ベットに入って2時間ほどして、震えはやっと治まったが、体温は華氏105度(40.5℃)であった。

 震えを伴う初めての高熱経験で、本人は愕然。家族の勧めもあって救急病院へ緊急入院となった。
横文字の国で、症状を正しく伝えるだけでも並大抵のことではないが、娘が付き添って説明を補って呉れて大助かりであった。

 更に幸いなことに、この日はEmergency Departmentの患者が殊のほかすくなく、医療・検査チームは殆ど虚庵居士の独占に近い状態で、手際のよい対応をして貰えた。解熱剤投与に始まり、心電図・X線検査・血液検査・生体検査等々と共に、各種の予防措置の注射・点滴なども合わせて、それでも深夜の
12時過ぎまで治療と検査が続いた。

 聊か大げさとも思われる対応であったが、医師の説明によれば急激な高熱症状は、シニアでは命取りになりかねかねないこともあっての措置であったようだ。結果的には、第一次の検査結果が判明し、帰宅が許されたのは02時を回っていた。

 診断書は ”Fever Unclear Etiology(原因不明の高熱)”というものであった。
推定原因として、流感などヴィールス性のもの等のほか数種類が列挙され、かなりオープンな診断書が提示された。殊に注意を促されたのは、水分摂取の不足による脱水症状であった。集中的な仕事による過労や、アルコールの過多なども注意事項として挙げられ、大いに反省させられた。


 



            熊蜂のロシアンセージに集えるは

            酒場に集う呑ん兵衛よろしく


            花蜜をむさぼる熊蜂 酔えるらし

            身を逆しまに片手を離すは


            節々の力はぬけて突然に

            寒気と震えに 愕く爺かな


            横文字の医師の問診しどろもどろ

            受けつつ体調もどるを感じぬ


            嫁ぎ来し娘の英語に支えられて

            重ねた辛苦を思い遣るかも