春ウコンの花が咲いた。
友人宅の春ウコンは、その後どうなったかと気懸かりだったが、「本物の花が咲きました!」との知らせを受けて、再び友人宅を訪ねた。
数日前に比べて、ウコンの葉は一段と大きくなっていた。梅雨の季節は、植物にとっては慈雨をもたらし成長には願ってもない条件が整うからであろう。この先、夏にかけて背丈も葉の幅も、更に逞しく成長するに違いあるまい。
大きな葉をかき分けると、その向こうに、件のピンクのフリルが見えた。フリルの間に、白と黄色の見事なコンビネーションの筒花が咲いていた。紛れもない「春ウコンの花」だ。
雨が降って、泥を跳ね上げたのであろう、清楚な肌は土で汚れていたが、春ウコンにとってはそれも立派な勲章というものだろう。
人間社会でも様々な環境の中で、若者が朱に染まらず健気に開花する姿を連想させられて、「春ウコンの花」が殊更いとおしく見えた。
背を伸ばし大葉を広げて抱くらし
足もとに咲くウコンの花を
雨脚の名残りの泥を裾に受けて
なおも穢れぬウコンの花はも