川端裕人のブログ

旧・リヴァイアさん日々のわざ

環境を知るとはどういうことか(流域思考へGo!)

2009-10-17 20:40:50 | ひとが書いたもの
環境を知るとはどういうことか (PHPサイエンス・ワールド新書)環境を知るとはどういうことか (PHPサイエンス・ワールド新書)
価格:¥ 840(税込)
発売日:2009-09-19
タイムマシンにて3日前に戻る所要時間は3時間。その間に読んだ。
とてもお勧めできる本だ。

養老さんのガイドにより、岸さん大いに語るというふうな仕組み。
これまで、岸さんの本で推薦するとすると、まずは、「自然へのまなざし」だったのだけれど、非常に今の状況に即したかたちで、いいかんじに仕上がっている。これからはこの本を、ファーストオプションとして薦められる。

いつだったか、岸さんと対談した際に、彼がしきりと述べていた、人は成長段階で解かなければならない微分方程式のごときものをあらかじめインストールされており、そこに投入されるパラメタによって、あっさり解けたり解けなかったり、ということが、その後のその人のライフスタイルを決定していく要因ともなる、みたいな話もフォローされていて懐かしかった。


本の紹介という意味で、重要な点が2つあって、ひとつは、アメリカの教育界の大転換のこと。
ソベルの訳本は、ぼくも自分の学校の校長に手渡したほど重要なものと感じる。

あと、小網代にせよ鶴見川にせよ、市民運動としての裏舞台がちょっとほのみえること。
いや、本当にいろいろあるのだとよく分かる。

ぼくにとって、キシユージが偉人であるということは、まさにこのあたりの粘り強さにある。

さらにいうと、養老さんが、喫煙問題について、非常に偏った一面的な嫌悪感(ぼくは養老さんのこの方面の議論をそのようなものとして読んでいる)を示す理由もちょっと理解できた気がする。
彼は、原理主義が嫌いで、この十年間に台頭してきた「反喫煙」なる動きが、原理主義的(喫煙を一面的に悪と決めつける)と感じているのではないか。

ちなみに、ぼくも原理主義が嫌い。
寛容でありたいと常に願っているけれど、原理主義に基づいた不寛容にだけは、寛容になれないのだった。

では、疫学はどうか。
喫煙の害、受動喫煙の害を確立したのは疫学だけれど、それは、小手先の因果推論ではなく、因果をネットワークとして理解する。

そのあたりのところを、養老さんにも、おそらく岸さんにもinstallできたらきわめて面白い展開になるんじゃないかと感じた。

関連書籍として、
川の名前 (ハヤカワ文庫JA)川の名前 (ハヤカワ文庫JA)
価格:¥ 735(税込)
発売日:2006-07

本書の中でもちょっとだけ言及してもらっている。
しかし、「若手小説家が書いた」などと言われると、違和感。
すでに、新進だとか、若手だとかいう惹句が似合わなくなってきた。

足もとの自然から始めよう足もとの自然から始めよう
価格:¥ 1,470(税込)
発売日:2009-02-19

そして、これも言及される重要な本。
子どもの自然教育について、大切な指摘をしている。

さらに、
学校を基地に「お父さんの」まちづくり―元気コミュニティ!秋津学校を基地に「お父さんの」まちづくり―元気コミュニティ!秋津
価格:¥ 1,890(税込)
発売日:1999-03

岸由二は小網代で、岸裕司は秋津で、それぞれ、「不可能を可能にした」。
ぼくにとって、キシユージは本当に偉人なのだ。

ハロー、3日前のワタシ

2009-10-17 19:57:00 | 日々のわざ
R0012238立て続けにブレーカーが落ちて、Macの電源も同時に落ちる事件があり、調子が悪くなってきた。
結構、ぼくにとっては重要なカレンダーソフトが動作しなくなったり、メインで使っているエディタが妙な挙動を示したり。
というわけで、大事に至る前にタイムマシン様で復旧。
3日前にタイムスリップ!
システムはふたたび安定したので、ほっと一息。
それにしても、タイムマシン様ありがたい。
これまで何度救われただろう。
というわけで、iTunesで、「タイムマシンにお願い」を聞きながら書いています。


ニュージランドでも次年度役員の決めの話題。

2009-10-16 20:55:14 | 保育園、小学校、育児やら教育やら
R0012274夕食後、PTAの会合へ。

今回は前回の記録も配られず、耳だけが頼り。やたら分かりにくい。
ほんと本気で普通に話されると、ついていけない。

それでも概略を述べると……。

出席者は、8人のメンバーのうち2人が休んで6人。1935くらいにスタート。

ホリデーの話をしている。
子どもと一緒に、Greymouthまで自転車で行った人。ニュージーランド南島の脊梁山脈を越えて、西海岸まで自転車で行ってきた人。。
バヌアツで、津波警報に遭遇した人。
なんかのどかなサロンみたいなかんじに。


前回や前々回からの引きずりマターをひとつひとつ話題にしていく。

クイズナイトのコーヒー提供。
ショーケースイブニングのコーヒー提供。

スポーツユニフォームの新調についての議論は多少ぶあつい。
もともと、保護者から「うちの学校のスポーツユニフォームってみすぼらしくなっていない?という声が来たのがきっかけ。
PTAでやる予算はないので、ボードに提案している。
ちなみに、白だと隣のカシミア小学校と同じになるし、ほかにも多いから、別の色で。
すでに、ユニフォームショップのカタログも準備してあり、もりあがる。
いつでも発注可能みたないかんじ。しかし、ボードが最終的に決めることなので、ちょっとマイナー感が漂う。

コレスポンデンスは特になし。BOTのミニッツが届けられた程度。

こちらは4学期制の第4学期に突入している。
だから、そろそろ来年度の役員を考える時期。
会長のジャッキは、息子が転出するので(まだいられる年齢だが、違う学校に進学)来年度は続けられない。
また子どもが卒業する人もいる。
というわけで、今年のコアメンバーのうち3人のみが残ることになりそう。
あと、どうしようか、と、具体的な名前まであがって、ああだこうだと議論。
終わったのは2100。
はじめて、こんなに時間がかかった。

結局、どこでも、「役員選び」(こちらではコミッティと呼ばれる)はそれなりに大変なのねと納得。

PTA再活用論―悩ましき現実を超えて (中公新書ラクレ)PTA再活用論―悩ましき現実を超えて (中公新書ラクレ)
価格:¥ 819(税込)
発売日:2008-10


"My Great Grandpa"と"The Child Cruncher"

2009-10-15 18:32:57 | ひとが書いたもの
My Great GrandpaMy Great Grandpa
価格:¥ 750(税込)
発売日:2001-02-05

ある女の子が、大好きなおじいさんの車いすを押して街を歩く。
そこに誰が住んでいたから知っているけれど、今住んでいる人は知らないおじいさんと、熱心に話を聞く女の子。
老いゆくものと育ちゆくものが交わるほんの短い一瞬を描いた佳作。
UKの本。


The Child CruncherThe Child Cruncher
価格:¥ 1,597(税込)
発売日:2008-08

子どもを食べちゃうこわーい大男と一緒に遊ぼうとする女の子。
研究に没頭して、なーんにも気にしていないお父さんがナイス。
ちょっとヨーロピアンテイストのユーモアあり。
なんだか、図書館で借りる本にあまりはずれがない。
いいかんじ。


"How Absurd"と"Really Rude Rhino"

2009-10-14 19:19:05 | ひとが書いたもの
How AbsurdHow Absurd
価格:¥ 1,801(税込)
発売日:2007-07-20

作者はKiwiだ。
いろいろな動物をくっつけて新たな動物を作ってしまう想像を延々としていくだけの話なのだけれど、実によい。
で、kiwiの作者だけれど、今はオーストラリア在住で、だから、ウォンバットとか、エミューとかが出てくる。
オーストラリアの出版社のものが、アマゾンjpで普通に買えるのは、やはりびっくりだなあ。

Really Rude RhinoReally Rude Rhino
価格:¥ 900(税込)
発売日:2006-08-22

こちらはUKの作品。
やんちゃなライノくんが、活躍する。
ベロを出して、嫌な音を立てて、人に対して失礼なサイ。
子どもたちは、カバをヒッポと略すように、サイをライノと略すことを知りました。
気軽に読める良作。


筆算もやってます。(日本の家に住むこと)

2009-10-14 06:16:34 | 川のこと、水のこと、生き物のこと
R0012587本日の算数。
ちゃんと筆算もやっています。
でもいきなり3桁引き算。

さらに本日はインターネットを使った特別探求授業があり、テーマは日本だった。
R0012585イタダキマスや、フートンが、娘のクラスで語られているかと思うと愉快。
こういう「日本文化」というのは、知っている人は知っているたぐいのことで、結構人気があるのです。
漫画のえいきょうなんかもあるだろうけれど。


誰かがなにかを言い出してはじまる素敵な時間

2009-10-12 17:57:39 | ひとが書いたもの
Someone SaysSomeone Says
価格:¥ 1,507(税込)
発売日:2003-09-15

これはとても簡単な絵本だった。
学校で、誰かが何かを言い出して、カエルになったり、トラになったり、鳥になった気分で、あれやこれやと遊んでいく。
絵柄はチャイニーズ、ランチはみんなヌードル。
どんな文化的背景があるのか興味深い。ちなみに、ニューヨークでの出版な。

本の奥付によれば、絵描きさんが、中国に旅行して、中国の子どもたちや画法などなど、絵本に必要なワンセット分の分野に魅了されて帰ってきたということらしい。


"up in the tree"と"Hello Twins"(洋書の絵本ってわりと安く日本で買える!)

2009-10-11 20:17:48 | ひとが書いたもの
2週間ほど前から、毎晩、子どもと一緒に図書館で借りた絵本を読んでいる。

Up in the TreeUp in the Tree
価格:¥ 750(税込)
発売日:2010-04-05

Up in the treeは、木の上に住んでいるという愉快なきょうだいの話。
up inという言葉のニュアンスとか、単語のおもしろさを追う。


Hello TwinsHello Twins
価格:¥ 659(税込)
発売日:2008-04-08

こちらは正確のまったくちがう双子のお話。
文字は少なくちっちゃい子向け。
Likeというのが、好き、だけじゃなくて、似ている、という意味があるとか、どう見分けるか、とか、そういう話をしながら。Each otherというのもおぼえた。

というわけで、英語の読み聞かせ、ストーリーも楽しめるのだけれど、二度おいしいってわけで。

なお、このエントリを書いている途中、洋書の絵本がえらく安く日本でも手に入ることを発見して、妙に感心してます。
だって、日本で普通に出版される日本語の絵本よりずっと安くないですか?


岩波「科学」10月号、巻頭エッセイと

2009-10-10 06:41:42 | 自分の書いたもの
科学 2009年 10月号 [雑誌]
価格:¥ 1,400(税込)
発売日:2009-09-29

岩波の「科学」10月号の巻頭エッセイを書きました。
「リーマン予想にはまる」というタイトルで、来月予定の「アリメト」を書くに至った背景のごときものを述べてあります。
まあ、とにかく、リーマン予想って超弩級にすごいよね、という話なんですが。

それにしても、「科学」は濃いですね。今回は「鉄の新常識」という特集なのだけれど、基本的な物性とか高温超伝導についての新知見にくわえて、生体内での鉄のこと、さらには宇宙進化・地球進化との辛みがもうらされていて、さらにコラムでたたら製鉄やら、ヒッタイトの鉄のことが述べられていたり。

息子が読んでいるのだけれど、果たしてわかっているのか……。


kakeruインタビュー

2009-10-09 06:34:57 | 自分の書いたもの
R0012197kakeruというウェブインタビューメディアに登場しております。
http://www.motheru.jp/kakeru73.html

ニュージーランド暮らしと教育につて、ちっとばかし語りました。
今後、いろいろ述べることになるであろうことの予告編ということで。

結局、キモは、ニュージーランドの公立校はそのまま「保護者立校」でもあって、教育委員会は20年前に廃止されたまま、「保護者が教育委員会をするスタイル」が確立された、ということにつきます。


全国のFLP(フィヨランドペンギン)ファンに告ぐ

2009-10-08 05:35:26 | 川のこと、水のこと、生き物のこと
Img_4937_2はじめて会ったのが15年前。
2度目は12年前くらいか。
ぼくにとって、初めての野生のペンギンがフィヨルドランドペンギンだったわけです。
子どもをつれて今回もウェストコーストの海岸でひたすら待つの巻。
サンドフライにあちこちやられたけれど、やっぱりこいつら、いいなあ。
森の中での営巣といい、ほっぺたの「アパッチマーク」といい。

本当に久しぶりに訪れたわけで、2度目の訪問でヘリを飛ばしてくれたモーガンが、31歳の若さで去年亡くなっていたことを知ったり(その前に、マオリにとって大切なグリーンストーンをヘリを使って少しずつ持ち出していたとの容疑で逮捕され、同じくパイロットの父親と一緒に有罪判決を受けていたり)、悲喜こもごもな部分も含みつつ、ペンギンたちは相変わらず。

なおFLPについては、この本でかなりたくさん写真を使ってます。

ペンギン大好き! (とんぼの本)ペンギン大好き! (とんぼの本)
価格:¥ 1,365(税込)
発売日:2002-08


今は亡きモーガンと飛んだ島での撮影もたくさん。
今回はヘリ会社そのものが存亡の危機に立っていて、飛べなかったわけだけれど。

帰ってきました

2009-10-08 05:12:18 | 日々のわざ
R0012134ニュージーランド南島の下3分の1くらいをぐるりとまわる旅行してきました。フィヨルドランドペンギンとカカポに再会し、夜のビーチでキーウィを探し……ああ、つかれた。
スクールホリデイもあと何日か。
また日常生活のはじまりですわ。

写真は、近所にあるジャンクアート。
ぼくはこの子が好きです。