川端裕人のブログ

旧・リヴァイアさん日々のわざ

歴史に口を挟むペンギン

2006-03-23 21:28:09 | ひとが書いたもの
「ペンギンは歴史にもクチバシを挟む」上田一生、岩波書店

今更ながら入手して、ぱらぱらと読んでいる。
これが面白い。
歴史学(というのかな)のバックグラウンドがある方だから、ぼくなんぞが「ペンギン、日本人と出会う」で行った調査の百倍は文献に当たっているのではないか、というくらいの圧倒的な調査の上で成り立っている。
というわけで、「ペンギン、日本人と出会う」を読んで楽しんでくださった方は、こちらも絶対に楽しいはず。ぼくの本ではほとんど扱っていないヨーロッパでのことや、扱いが薄い戦前の日本のペンギン状況については圧倒的だ。
さらにいえば、ぼくが「日本人のペンギン好き」が形成されたメカニズムとして提示した仮説は、この本では見事に否定されている。否定されちゃっていいのです。もともと、作業仮説なわけで。ぼく自身も「そうだったのか!」と感心することしきり。「ペンギン、日本人と出会う」が文庫化される時には(いつ? とつっこむことなかれ)、補足します。
そして、日本人のペンギンへの愛着がもっと前から、もっと深いところから始まっているかもしれないと感じ、うれしくおもいましたとさ。


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2 コメント

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はじめてご連絡させていただきます。 (山田まり)
2006-03-24 17:54:19
本書の担当編集者でございます。
著者からお送りになっているとばかり思っておりましたが、このタイミング、ひょっとしてご自身でご購入でしょうか? でしたら、ほんとうに申し訳ありません。たくさん引用させていただき、「批判」までしていながら、たいへん失礼いたしました。
にもかかわらず、あたたかなご紹介、心より感謝申し上げます。
二年前に津田敏秀先生の『医学者は公害事件で何をしてきたのか』でも、心強い応援をしていただきました。
二度にわたるご厚意、感謝感謝です。
ほんとうにありがとうございました。
返信する
ああ、山田さんですか。はい、津田さんの出版パー... (本人)
2006-03-24 19:03:54
この本も、大変よいお仕事をされましたね。って、偉そうですが。
多くの人に届いて欲しいです。
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