川端裕人のブログ

旧・リヴァイアさん日々のわざ

アリメト「じっちゃん」の天下一鮨ではこんなものが食べられる、その1

2008-11-14 11:31:33 | 自分の書いたもの
きょうも頭冷却期間につき、食べ物の話。
といいますか、アリメトの天下一鮨のモデルとなっているとあるお寿司屋さんのメニュー大紹介。
まずは、握る前の料理や刺身系。
R0010659R0010660左がシロヒゲウニのゼリーよせで、ほんのりコンソメ風味。右は蝦蛄の焼きもの。
シロヒゲウニは南方系のウニで、北方のバフンウニとか、ムラサキウニに比べてメジャーではないけれど、まったく遜色ないまろやかな味。水揚げが少ないので、あんまり東京には出て来ないようで、ぼくははじめて食べました。どんな姿をしているのかいうと、こんなきれいな姿なんだそうです。東京都の伊豆諸島とか、紀伊半島とかそれより西・南でダイビングする人は見たことあるんじゃないでしょうか。

で、蝦蛄はシンプルに焼くと実にうまいですよね。
R0010663R0010662今年の初物の能登ブリ。先週まではまだカツオがあったのだけれど、先週でおしまい。この日は、まだ出て来てまもないブリ。しっかりと馴れたいいかんじのものを、「本物」の和芥子で食べるここでの定番。わさびはつけません。
能登ブリは12月あたりにもっとうまくなるそうな。
また行きたくなる。これだけでも。


R0010664R0010665久絵の胃と、伊豆のヒラソウダのたたき。
まず、久絵って、こんなかんじの魚で、お相撲さんが鍋にするイメージがありますね。
一方、ヒラソウダは、こんなかんじ。これを青唐辛子一緒にたんたんたんと叩いて、目の粗いなめろう風にします。
例によって漁師料理なのだそうだけれど、これが唐辛子のピリカラとマッチして素敵。


R0010666R0010667続いて、ブリの肝臓。お茶で煮てあります。江戸時代によく行われていた調理法だそうで、なまぐささがほどよく消えて、完全に酒飲みメニュー。
そして、特筆すべきは天然岩がき+信州リンゴ+信州味噌のコラボ。ここ、いちお寿司屋なんですけどね……。こういう無節操を愛する人たちに愛される店です。
で、なんだかわからないまま……とにかくうまい。岩カキは生でもひとつもらったけれど、ミルキーかつコリコリとした食感で、へえ、カキってこういうのなんだと認識を新たにするわけです。カキでコリコリって、不思議な気がしません?


R0010671R0010673握りも刺身も終わってしまったカツオとはもう会えないものと思っていたら、なんと「餃子」で対面。
カツオ餃子を、ココナッツミルク・ココナッツオイル・自家製ザーサイなどを複雑に合わせたたれで食べる。一口小さく食いちぎったら、開口部からたれが中にしみ込むようにすくって食べる。なんだ知らない食べ物になってました。寿司屋で食べる無国籍料理です。
そして、「料理」の仕上げは、奄美特産の夜光貝。かなり大きな貝で、貝殻はボタンなどの原料にされるそうです。ここでは貝そのものを器にして、ぶつ切りの身とぶどうのデラウェアとソテツの実をいれたスープに。
なんじゃこりゃって珍しい食材。おまけにダシは……よくわかんないです。和洋古今東西の諸々。うまかったー。
ここまで来ると完全に、無国籍を通り越して宇宙的創作料理屋になってしまうので、最後の最後に寿司屋のアイデンティティとして、しゃり玉をくれます。それをスープに投入して、食べる。
ね、寿司屋でしょ? って、無理があるか……。

以上、料理の部、です。
ここから先、「寿司屋開店」となるわけですが、それはまた今度。

しかし、はたして息が続くか(笑)。この時点ですでに満腹、という説も。


なお、アリメトこと、「アリスメトリック! 算数内中の冒険」は、こちらにて連載中です。
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