今度は握り篇です。しかも握り篇のその1、です。
ただでさえたくさんの「お料理・つまみ」の類いだったわけですが、ここから本番でっせ。
まずは、松島のはぜ、大分豊前湾のアオギス、そしてカワハギ(どこのか聞き忘れた)。はぜは江戸前の定番だったけれど今は大きなのが捕れないのだそうですね。アオギスは幻の鮨ネタで、今はごくごく限られたところでしかあがらないみたい。それもたまたまとれた時に送ってもらっているとのこと。
こちらによると、大分県のレッドデータリストに入っているようなのだけれど、そんなもの食べていいのだろうか悩ましく思いつつ、とんでもなくおいしいのですよ。キスのさわやかなかんじと濃厚なところが同居してて。
そして、定番の小鰭。だいたいいつも赤酢、白酢、ポン酢でしめた三種類が用意されていて、あと一ヶ月ほどたって旬になってきたら、さらにバレエーションを増やすそうな。
もうひとつはワタリガニ。昔は江戸前にもたくさんいたワタリガニだけど、今は能登だそうです。かなり大きくしっかりしたカニさんでした。これも濃厚系の味。
そして、最初にゼリー寄せで食べたシロヒゲ
ウニの握り。これがとろんとして美味いのです。やはり、バフン、ムラサキに負けてない。味だけでなくて、食感そのものがミルキーなのが特徴でしょうか。
ちなみに、ここではウニに海苔は巻きません。味が変わっちゃうから。もちろん時期によれば、バフンもムラサキもあるし、どれもうまい!
で、このあたりで、自家製味噌を使ったみそ汁が。これもダシが複雑なんで、お料理好きの人は一生懸命舌を働かせて、ああだこうだと考え込む味みたいです。
しかし、ぼくはほっこり落ち着きますな。
しかし、落ち着いたら落ち着いたで、まだまだ続く、のですよ。
赤貝。
今、東京湾の赤貝はゼンメツ状態。昔は東京湾のものだけと「本玉」と呼んでいたそうですが、今は日本産なら「本玉」と呼んでしまうそうです。
で、これは本玉。
また、白魚は、そぼろを間にかませた江戸前の古い仕事風。
白魚を握るのは難しいと、別の店で聞いたことがあるけれど、美しい仕上がり。
口の中でとろけるみたいなこの感覚は、本当に繊細。江戸時代の人もこういうのを食べていたんですかね、と思ったら、江戸時代のはもっとしっぱかったそうですね。冷蔵庫がなかったから、塩を使う。今じゃとうてい口にできなかいくらいのしょぱさだったのではないかとのこと。
今はマイルドにしあげてます。
ヅケの2兄弟。クエとマグロ。
この店でマグロが出るのは珍しく、カツオが切れたシーズンだけの模様。
いいかんじにつかったづけで、また、身じたいもまったく「新鮮」ではなくて(良い意味で)、すごく馴れてます。
短時間つけてとくことで、奥行きが広がる。
クエもマグロも両方ともナイス。
そして、これまで食べたことなかった
カイワリを食す。これはシマアジに似ていて、銀色の魚体が本当にきれい。
そして、そして、本日の感動品は、イワマツタケと大トロのにぎり。
イワマツタケの濃厚な香りと、大トロの濃ゆーい味が、お互いに強烈なのに喧嘩をしないでハーモニー!
いやー、びっくりこれは絶品だった。
イワマツタケって、検索してもあんまり出て来ないのだけれど、すごくレアなのかしらん。
しかし、これはガツンと来る強烈インパクトでした。
(まだまだ続く)