PTA再活用論―悩ましき現実を超えて (中公新書ラクレ 294) 価格:¥ 819(税込) 発売日:2008-10 |
あらためて、拙著「PTA再活用論──悩ましき現実を超えて」(中公新書ラクレ)を紹介させていただきます。
本書は、昨年4月から今年の3月まで、「婦人公論」誌上にて連載した「みんなのPTAをさがして」を書籍化したものです。
PTAの副会長をつとめつつ、あちこちの取材もし、つないで行ったかなりしんどい連載でした。
今回まとめるにあたって、きちんと一本芯を入れ、議論を深め、整理しました。格段に読みやすく、また、「役に立つ」ものになったと自負しています。書籍化とはいえ、新たに書き下ろした気分です。
内容は……今のPTAの問題点は、かかわったことがある人なら嫌というほど知っているでしょう。それをなんとかできないかけということにつきます。
ただし、その背景には、単にPTA、教育、といったことだけでは済まない、強烈な危機感を持っています。
今のままのPTAが続くなら、この国って、結局は「空気」に支配され、同調圧力に流されていくばかりの、本当の意味で自立できないオトナばっかりの国になってしまうのではないか。そうなるための「訓練」を、日々、日本のPTAは、全国に一千万人以上いる会員に対してほどこし続けてきたのではないか……そんな気がするのです。
その一方で、PTAを、「子縁」でたまたま結ばれた者たちが多様性を認めあいつつ、ゆるーく結ばれるコミュニティとして機能させることはできないか、などということも、ああだこうだ、と検討しています。
ちなみに、編集者が書いてくれた裏表紙の言葉。「大変化を迎えた公教育の一断面をリアルに見据えた力作。忘れられた『PTA』を蘇らせる処方箋とは」というのは、完全に「男性目線」です。
PTAは決して、「忘れられた」ものてはなく、今、この瞬間、学齢期の子をもつほとんどの母親にとって、またごく一部の父親にとって、圧倒的な存在感をもって立ちはだかる有無を言わせぬ存在です。ぼくが新書で出すのをこだわったのは、できるだけコンパクトに手に取りやすい形で出したかったことが大きいのですが、それは同時に出版社が想定する新書のメインターゲットである男性目線を気にしなければならないことでもありました。
ともあれ、力作です。と自分で言い切ってしまう自信アリです(世に問うべきことを存分に書いた、という意味で)。
興味のある方、損はさせません。ぜひ読んでください。
そして、興味のない方、身近な「興味のありそうな人」にぜひ教えてあげてください。
で、興味ない代表格かもしれないそこのお父さん! ひょっとして、あなたのつれあいさんが、あなたの知らないところでPTAに悩んで、行き詰まっているかもしれませんよ!
もっと言うなら……無関心かもしれないあなたも、実は、PTA会員であって、この訳の分からない組織を無自覚のまま支えているのかれしれませんよ!
などと、「この世の半分」である男性にもアピールしておきます。
なにとぞ、よろしくお願いいたします!