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税理士 倉垣豊明 ブログ

東京武蔵野市(三鷹)の税理士 相続税、贈与税等資産税対策、法人・個人向け税務・会計・会社法のブログ

アドオン方式

2009-06-12 06:45:20 | 会計
おはようございます。税理士の倉垣です。

アドオン方式
借入金の返済方式で、以前「元金均等方式」と「元利均等方式」をお話ししましたが、今回は「アドオン方式」を取り上げてみました。
アドオン方式は、ローンの返済額が同一で、この点においては元利均等方式に似ていますが、計算の方法が根本的に異なっています。
結論を先にいいますと、借主にとっては完済までの支払利息の総額が一番大きくなります。

[設例]
借入金額300万円、利率年6%(月利0.5%),返済回数60回(毎月末)

1、完済までの利息合計額
次の計算式で求めます。
利息合計額=借入金額×利率×返済回数
設例の場合は、300万円×0.005×60回=900,000円

2,各月の返済額
次の式で求めます。
各月返済額=各月の利息額+各月の返済元金=(完済までの利息合計額÷返済回数)+(借入金額÷返済回数)
設例の場合は、(90万円÷60回)+(300万円÷60回)=65,000円

参考までに、この設例を「元利均等方式」で計算すると、完済までの利息合計金額は479,904円です。

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財務係数3(年金終価係数、減債基金係数)

2009-06-08 06:54:26 | 会計
おはようございます。税理士の倉垣です。

財務係数3(年金終価係数、減債基金係数)
今日は、財務係数の最後で、積立運用スタイルに分類される2つ、年金終価係数と減債基金係数を取り上げました。
1、年金終価係数
イ、年金終価係数とは
定期的に定額ずつ積み立てていって複利運用した場合の一定期間後の元利合計金額を計算するのに利用するのが年金終価係数です。

ロ、計算例
例えば毎年200万円ずつ積み立てて年利1.6%で複利運用していくと、20年後の元利合計はいくらか。この計算は、年金終価係数表の利率i=1.6と期間n=20の交差する数字23.8193を用いて次のように計算します。
20年後の元利合計=200万円×23.8193=47,638,600円

2、減債基金係数
イ、減債基金係数とは
減債基金係数はあらかじめ決められた目標金額、年限が与えられた場合、それを一定の複利の利率のもとで、それを達成するための毎年の積立額を求めるときに用います。

ロ、計算例
例えば20年後に3000万円積み立てるためには、利率2.0%として、毎年いくらの積立額が必要か。この場合、減債基金係数表で利率i=2.0と期間n=20の交差する数0.0412を用いて次のように計算する。
必要積立額=3000万円×0.0412=1,236,000円

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財務係数2(資本回収係数、年金現価係数)

2009-06-05 07:00:29 | 会計
おはようございます。税理士の倉垣です。

財務係数2(資本回収係数、年金現価係数)
今日は、6つの財務係数のうち、一括貸出し・分割返済(あるいは一括運用・定額取崩し)の分野の、資本回収係数と年金現価係数を取り上げました。

1、資本回収係数
イ、資本回収係数とは
元本、利率ならびに年限が分かっていて、毎年受け取ることができる金額を求める係数
ロ、計算例
銀行が2000万円の設備資金を20年間貸し付けた場合で金利が3%のとき、毎年の返済金額は、資本回収係数表の利率i=3と期間n=20が交差する0.06722より次のような計算を行う
毎年の返済金額=2000万円×0.06722=1,344,400円
計算式で検算をしてみると、2000万円×[0.03÷{(1+0.03)^20-1}+0.03]=1,344,314円

2、年金現価係数
イ、年金現価係数とは
毎年の受取金額、年限ならびに利率から当初必要な元本を求める係数
ロ、計算例
61歳から70歳までの10年間に毎年300万円の金額を受け取るためには61歳の時点でいくら用意しなければならないか。利率は年2%とする。
この場合、年金現価係数表の利率i=2と期間n=10の交差する数字8.9826をもちいて次のように計算する。
用意する元本額=300万円×8.9826=26,947,800円
計算式で検算をしてみると、300万円×[{(1+0.02)^10-1}÷{0.02×(1+0.02)^10}]=26,947,755円

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財務係数1(現価係数・終価係数)

2009-06-04 06:40:38 | 会計
おはようございます。税理士の倉垣です。

財務係数1(現価係数・終価係数)
財務係数は6つあります。これらは資金の運用や回収計算等において利用するために作成されています。
今日は、一括運用スタイルに分類される、現価係数と終価係数についてその使い方を見ていきます。

1、終価係数
イ、終価係数とは
一定の元本を一定の利率で複利運用した場合の一定期間後いくらになっているかを示す係数。

ロ、使い方
例えば現在の100万円を年利1.2%で20年間複利運用すると20年後の元利合計はいくらになるか。
この場合は、終価係数表の利率i=1.2と年数(期間)n=20が交差する係数(1.2694)から次のように計算する。
20年後の元利合計金額=100万円×1.2694=1,269,400円
これは、計算式で計算した結果と同じです。100万円×(1+0.012)^20=1,269,434円
終価係数は計算式上の(1+0.012)^20の部分を事前に計算して、表形式にまとめたものです。

2、現価係数
イ、現価係数とは
現価係数は、一定期間後の金額と運用利率から現在必要な元本を求めるために用いられる係数。

ロ、使い方
例えば、20年後までに1,500万円貯めたいが、運用利率1.4%であるとき、現在必要元手額を求める場合、現価係数表の利率i=1.4と期間(年数)n=20の交差する係数(0.7573)をもとに次のように計算します。
1,500万円×0.7573=11,359,500円
計算式で計算してみると、1,500万円×(1+0.014)^-20=11,358,792円。

現価係数と終価係数は、スタイルは一括運用で同じですが、計算の時間の流れが逆ですね。現在から将来の金額を算定する場合の係数が終価係数、逆に将来からさかのぼって現在の金額を算定する場合の係数が現価係数です。

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くじの期待値

2009-05-28 07:21:09 | 会計
おはようございます。税理士の倉垣です。

くじの期待値
以前このブログで期待値の計算を取り上げましたので、今回はその応用としてくじの期待値について設例を作成してみました。

[設例]
1番から10番までの番号札を1口300円で販売した。賞金は当選番号(1個)に2,100円(発売元が賞金総額の30%を徴収する。)であるとき、還元率と期待値を計算する。

[計算]
1、還元率の計算
イ、販売総額:300円×10=3,000円
ロ、賞金総額:2,100円(=3,000円×0.7)
ハ、還元率:2,100円÷3,000円=70%

2、期待値の計算
2,100円×10%=210円

1口当たりの購入額300円と期待値210円の差額は、くじの発売元の利益になっています。
宝くじなどはこの設例をもっと規模を大きくし、当選賞金を複雑にしたものと考えていいと思います。

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投資信託の利回り

2009-04-23 08:28:35 | 会計
おはようございます。税理士の倉垣です。

投資信託の利回り
投資信託の利回り計算は、購入時の基準価額と計算時のそれとの比較により行います。また、分配金がある場合や、期間が1年でない場合の調整も必要です。
以下例題で練習してみましょう。

[問]
1、次の投資信託の利回りはいくらか
イ、投信購入時の基準価格:12,000円
ロ、1年後の基準価格:13,500円
ハ、分配金:なし

2、次の投資信託の利回りはいくらか
イ、投信購入時の基準価格:12,000円
ロ、1年後の分配金:400円
ハ、分配落ち後基準価格:13,500円

3、次の投資信託の利回り(年率換算)はいくらか
イ、投信購入時の基準価格:12,000円
ロ、3か月後の基準価格:13,500円
ハ、分配金:なし

4、投資信託を購入してからの次のように2年経過時の利回り(年率換算)はいくらか
イ、投信購入時の基準価格:12,000円
ロ、1年後の分配金:400円
ハ、分配落ち後基準価格:13,500円
ニ、2年後の分配金:300円
ホ、分配落ち後基準価格:15,000円

[答]
1、{(13,500円÷12,000円)-1}×100=12.5%

2、[{(400円+13,500円)÷12,000円}-1}]×100=15.8%
分配金は足し戻して計算します。分配金の支払いがあると基準価額は下がりますのでその分配金を分配後基準価額に加えて計算を行います。

3、{(13,500円÷12,000円)-1}×(12÷3)×100=50%

4、[{(400円+300円+15,000円)÷12,000円}^1/2-1}]×100=14.4%
この算式の「^1/2」は「ルート」の意味です。2年間の累積利回りを1年の利回りに換算するにはルートを使います。

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外貨預金の利回り

2009-04-21 13:01:12 | 会計
おはようございます。税理士の倉垣です。

外貨預金の利回り。外貨預金の円ベース利回りの計算。

計算手順
1、円ベースの預け入れ額の計算
2、外貨ベースでの元利合計の計算(20%の税金の考慮)
3、上記2を円ベースでの受取額に換算
4、円ベースでの利回りを計算

[問]
金利7%の1年米ドル定期預金に10万ドルを預け入れした。この間の為替レート(仲値)が100円で変化なし。ただし為替手数料は往復2円。税金は20%とする。円ベースでの利回りはいくらになるか。

[答]
1、円ベースの預け入れ額の計算
預け入れる円ベース金額=外貨の額×為替レート(TTS)=100,000ドル×101円=10,100,000円
TTS:仲値100円+1円=101円(金融機関から顧客への外貨の売値)

2、外貨ベースでの元利合計の計算(20%の税金の考慮)
外貨ベースの元利合計=外貨ベース元本×{1+金利×(1-0.2)}=100,000ドル×{1+0.07×(1-0.2)}=105,600ドル

3、上記2を円ベースでの受取額に換算
円ベース受取額=外貨ベース元利合計×為替レート(TTB)=105,600ドル×99円=10,454,400円
TTB:仲値100円-1円(金融機関から顧客への外貨の買値)

4、円ベースでの利回りを計算
円ベースでの利回り={(円ベース受取額÷円ベース預け入れ額)-1}×100={(10,454,400円÷10,100,000円)-1}×100=3.51%

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先物の理論価格

2009-04-20 08:33:06 | 会計
おはゆうございます。税理士の倉垣です。

先物の理論価格
先物取引:ある商品を売買するに当たり、あらかじめ定められた価格を将来の一定の日に決済することを約した取引が先物取引です。

先物の価格=現物の価格+支払期日までの金利

では、株価指数の先物の理論価格はどのように計算するか。
先物の理論価格=株価指数×{1+(金利-配当利回り)×(残存日数÷365日)}

[問]
日経平均が1万3,000円のとき、3か月(91日)後に期日がある先物の理論価格はいくらか。
ただし、3ヶ月間の金利が年換算で0.8%、配当利回りが年換算で0.5%だったとする。

[答]
先物の理論価格=13,000×{1+(0.008-0.005)×(91日÷365日)}=13,009.72円

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シャープレシオ

2009-04-17 08:31:39 | 会計
おはようございます。税理士の倉垣です。

シャープレシオ
ポートフォリオのパフォーマンスを評価する指標にシャープレシオというのがあります。
これはリスクとリターンの関係をを測定する物差しで、次の算式で計算します。
シャープレシオ=収益率(リターン)÷標準偏差(リスク)=(実績収益率-無リスク資産利子率)÷標準偏差

無リスク資産とは元本割れのない資産のことで、普通預金などをいいます。

シャープレシオは同じリスクに対して得られた収益率の大きさを表していて、値が大きいほど、効率的に運用できたことになります。

[問]
無リスク資産の利子率が0.5%のとき、ポートフォリオの実績収益率が20%で、標準偏差が11%であるとすると、このポートフォリオのシャープレシオの値はいくらか。

[答]
シャープレシオ=(実績収益率-無リスク資産利子率)÷標準偏差=(20-0.5)÷11≒1.77
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標準偏差(リスク)

2009-04-16 08:28:03 | 会計
おはようございます。税理士の倉垣です。

標準偏差
前回は「期待収益率」の計算でしたが、今回はそれを利用して、「標準偏差」というものを計算してみましょう。
標準偏差は、「3回に2回は、期待収益率から標準偏差の分だけプラス又はマイナスに触れた範囲に収まる。」というものです。
標準偏差のことをリスクともいいます。

標準偏差は次のように計算します。
「それぞれの平均収益率と期待収益率の差を2乗し、それぞれの確率を乗じたものを合計して、これをルートで戻す。」
標準偏差の計算は次の3段階で行うといいと思います。
ステップ1 期待収益率の計算
ステップ2 分散の計算 分散=それぞれの平均収益率と期待収益率の差を2乗し、それぞれの確率を乗じたものを合計
ステップ3 標準計算の計算 標準偏差=分散をルートで戻す。

[問]
1.シナリオ1から3までの、それぞれの発生確率が、0.2、0.4、0.3であり、それぞれの予想収益率が7%、10%、12%であるとき、この資産の標準偏差はいくらか。
2.シナリオ1から3までの、それぞれの発生確率が、0.3、0.2、0.5であり、それぞれの予想収益率が8%、9%、10%であるとき、この資産の標準偏差はいくらか。
3.シナリオ1から3までの、それぞれの発生確率が、0.1、0.2、0.7であり、それぞれの予想収益率が4%、5%、7%であるとき、この資産の標準偏差はいくらか。
[答]
1、イ、期待収益率の計算 期待収益率=0.2×7%+0.4×10%+0.3×12%=9%
ロ、分散の計算 分散=0.2×(9%-7%)^2+0.4×(9%-10%)^2+0.3×(9%-12%)^2=3.9%
ハ、標準偏差の計算 標準偏差=ルート3.9%≒1.975%

したがって、ステップ1の場合、3回に2回は、期待収益率(9%)から標準偏差(1.975%)の分だけプラス又はマイナスに触れた範囲(7.025%から10.975%)に収まる。

2、イ、期待収益率の計算 期待収益率=0.3×8%+0.2×9%+0.5×10%=9.2%
ロ、分散の計算 分散=0.3×(9.2%-8%)^2+0.2×(9.2%-9%)^2+0.5×(9.2%-10%)^2=0.76%
ハ、標準偏差の計算 標準偏差=ルート0.76%≒0.872%

3、イ、期待収益率の計算 期待収益率=0.1×4%+0.2×5%+0.7×7%=6.3%
ロ、分散の計算 分散=0.1×(6.3%-4%)^2+0.2×(6.3%-5%)^2+0.7×(6.3%-7%)^2=1.21%
ハ、標準偏差の計算 標準偏差=ルート1.21%=1.1%

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