アフリカの3か国(エジプト、モロッコ、南アフリカ)に行って驚いたのは、空港には、サムスン、LGの広告があふれており、家電販売店に行っても、半分は韓国製品で、残りは、ヨーロッパ、中国製品でした。
この状況は、インドで現在みられる状況と全く同じでした。
日本は、韓国に対してここ10年で完敗したと言わざるを得ません。
新興国マーケットに対しては、日本も韓国も全く同じ条件で戦っているはずですが、なぜ、韓国がこれほどの力を付けたのか?
日本には、大きな先進国マーケットがあり、韓国には、新興国のマーケットしかなく、日本の新興国マーケットへの取り組みが根本的に遅れたことが、第一の要因と思います。
さらに、新興国でのマネジメント能力も日本人と韓国人では、大きく異なっていると思います。
韓国企業は、海外でもマネジメント能力が高く、ローカルスタッフの生産性を上げられる能力を持っていますが、残念ながら、日本企業は海外での人に対するマネジメント能力が根本的に欠き、新興国でのコストダウンが非常に弱く、新興国で勝ちパターがつかみきれていません。
この部分(海外でのマネジメントスキルと英語でのコミュニケーションスキル)で、韓国に勝つのは、不可能ではないのかと思います。
日本復活のシナリオは、日本人の強みをベースにする必要があります。
マーケットは、新興国中心になるのは変わりません。
私は、今後、輸出を再度見直すべきと思います。
アッセンブルでは、完全に負けていますが、質の高いパーツでは、日本企業は、ナンバー1です。
日本の輸出は、今まで先進国中心でしたが、今後は、新興国への輸出を中心に組み立てる必要があります。
まずは、中国です。中国は、新興国から、急激に先進国への仲間入りをします。
要求される製品が急激に変わります。
為替は、対ドルでは、円高ですが、今後は、対元では、円安に振れて行きます。
今は非常に我慢の時で、日本の製造業が空洞化すれば、復活はありえません。
何を海外に持ってゆき、何を日本に残すべきなのか?その選別が非常に重要な時となりました。
私は、まず、中国に農産物の輸出を強化して欲しいと思っています。
工業製品より、食品に対する潜在的ニーズは、中国にはたくさんあります。
しかし、日本の農業は、いまだ、個人で行われ、非常に生産性が悪く、衰退産業となっています。
法改正を行い、農民は、土地を企業に貸し付け、企業が高い生産性で農業を行い、海外に農産物の輸出をする時と思います。
農民に対する補助金も不要となります。農家の平均年齢は、60歳を超えています。今の状態を維持することは不可能です。
農産物での輸出を強化し、食いつなぐ必要があると思います。
中国は、確実に平均所得が上がっていくため、工業製品輸出もさらに増加します。
日本は、対中国への輸出戦略を根本的に見直す時と思います。
今までは、中国への生産拠点の移管が中心でしたか、既に賃金は高くなっているので、生産拠点から販売拠点へのシフトが必要です。
日本が、戦後、アメリカへの輸出により、復活したように、対中国への輸出で復活するしか道はないです。
このモデルに成功できれば、他の新興国も中国に追随して、同じようなマーケットになります。
グローバリゼーションで勝つためには、韓国型の低価格戦略だけでは無理です。
今は、日本にとって試練の時ですが、復活シナリオを国家と企業が共有し、国家は、その後押しをする時と思います。
若年層の就職支援も税金の無駄遣いです。企業が復活できなければ、仕事も増えません。
国は、問題の本質にメスを入れるべきで、表面的な問題にお金を使っても改善しません。
国が衰退する時は、経営感覚のある人が、政治を行わない限り、政策が根本的にずれます。