久野康成公認会計士事務所/株式会社東京コンサルティングファーム(TCF)の 【国際化支援ブログ】

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夢は実現する

2009年06月04日 | 所長と熱く語ろう!(久野康成)

私が、中学生だった頃、学習塾に通っていました。

その学習塾は、税理士の先生が趣味で夕方から行っていたもので、
私の9歳上の兄もそこに通っていました。

先生はとても厳しい人で、勉強しないと殴られたりするのですが・・・
戸塚ヨットスクールのような学習塾だったのです。

しかし、本当に安い月謝で、真剣に教えてくれる先生が大好きで、
その塾に休むことなく週3回、三年間、通いました。

私が、大学に入り、先生のところにご挨拶にいき、将来、自分は、公認会計士になりたいと話しました。

私が、会計士になりたいと思ったのも、少なからず、先生の影響は受けていると思います。

先生は、「公認会計士は、世界を股にかけて仕事をする人だ。」と言われ、私の夢を絶賛してくれました。


先生が言われた「世界を股にかけて仕事をする」という言葉が、非常に印象に残りました。

それをより実現するためには、国内の会計事務所より、当時、Big8といわれていた国際会計事務所に入った方が良いと思い、東京の青山にあったPrice Waterhouseに入ることにしたのです。

実際、入って分かったのは、今から40年前であれば、日本企業の海外進出に伴って、会計士も海外への子会社往査にでかけ、まさに「世界を股に掛ける」状態だったのですが、こんな不効率なことをつづけていてもいけないので、海外事務所と提携し、海外子会社の監査は、海外の提携事務所に任せるのが普通となっていたのです。

結局、海外で仕事をするためには、海外にある事務所に3年から4年出向しなければいけないということでした。

先生が、言われた状態は、かなり古い情報に基づくもので、私が思い描いた夢と現実は少々異なっていたのです。


そんな昔に描いていた夢は、日々の激務、独立後の忙しさでとっくに忘れ去っていました。

しかし、独立後、7年ほど経ち、事業もやっと落ち着いたころ、自分自身がはじめに描いていた夢を考えるようになりました。

つまり、世界を股にかけて仕事をする会計士の姿なのです。


とはいうものの、いったいどうすればこのような仕事ができるのかわかりませんでした。

とりあえず、日本から近い国である中国に最初ターゲットを置き、まずは、海外子会社を設立することにしたのです。

では、中国のどこに設立するのか?
香港・・・上海・・・と悩みましたが、悩んでもしょうがないので、結局、香港と上海事務所を同時にオープンさせることにしたのです。

今思えば、何の保障もなく、いきなり海外事務所を作るのは無謀と思われるかも知れません。

しかし、11年前に、何の保障もなく、監査法人から独立したときも、妻や親から無謀と思われました。それと同じで、周りから無謀と思われても、自分の信念に従って行動する方が後悔はありません

 

結果として、中国プロジェクトは、3か月で撤退という結果になりました。
あまりにも早い撤退の意思決定に、当時の上海、香港駐在員も戸惑っていました。彼らは、成功するまで何年も骨を埋めるつもりで仕事をしてくれていたのです。

私が、撤退を決めた理由は単純です。海外に進出し、はじめて、どこに事務所を作るべきだったのかがわかったのです。それは、「インド」です。

中国の撤退は、インドに経営資源を集中させるためのものです。

そのためには、いち早く中国プロジェクトは撤退させるべきだったのです。

撤退の意思決定と同時に、インドプロジェクトを開始しました。当時、日本に留学していたパサンを社員として採用し、その2ヶ月後には、ニューデリー海外子会社を設立し、事業を開始しました。


私は、現在、インドにおけるM&A案件のデューデリジェンス及び投資アドバイザーとして、インドにきています。

監査法人時代では、世界を股に掛ける仕事はできませんでしたが、二十歳のころ、学習塾の先生と語った将来の夢は実現しています。

思い描いたものを実現するためには、努力とチャンスと勇気が必要です。


プロフェッショナルになるためには、10,000時間のトレーニー期間が必要です。
マイスターになるためにも、10,000時間の見習い期間が必要です。


夢を実現したい人のために、私は、「人財開発」という会社を作りました。
夢の実現は簡単ではありませんが、努力とチャンスと勇気で、多くのことは実現するのではないでしょうか?