一般に、仕事のスピードと仕事の内容は、トレードオフの関係にあると思われています。
良い仕事をするには、時間がかかると思っている人が大半です。
結果として、本人は、良い仕事を心がけているつもりでも、実際は、
『遅い仕事』しかできていないのです。
良いか悪いかは、最終的には、第三者が決めます。
自分の主観ではありません。
しかし、早いか遅いかは、誰も目にも明らかで、非常に客観性があります。
私が、監査法人に勤務していた頃、とにかく、スピードを重視しました。
上司が想定する期日の半分の時間で仕事を終了させる目標を定めていました。
早く終わらせて監査調書を上司に見せれば、必ず、『なんて、早いんだ!』と驚かれました。
まあ、早く終わらせるために、陰で死ぬほど努力していたわけですが・・・
監査の場合、普通に仕事して、ほめられることはありません。
足りないときに叱られるだけです。
しかし、唯一、スピードだけは、ほめられる要素なのです。
とくに、スタッフ業務に関しては、スピードのみを重視すべきです。
早く終わらせるプロセスで、新たな発見があり、改善が生まれ、結果として質が高くなっていきます。
最初から良い仕事をしようと思うのは、時間を浪費するだけで、なんの価値も生みません。
『質の高い仕事を心がけている』とは、本人の自己満足に過ぎないのです。
最初から、質の高い仕事ができるはずがありません。
とにかく、スピードを重視しましょう。
その結果、仕事の構造が理解でき、誰よりも優れた仕事ができるようになるのです。