flow Trip -archive-

「漂い紀行 振り返り版」…私の過去の踏査ノートから… 言い伝えに秘められた歴史を訪ねて

八名郡 高井城

2007-03-07 00:00:48 | 城郭・城下町

(愛知県豊橋市石巻本町)
 豊川左岸段丘端、本坂通(姫街道)沿いに位置する城跡である。
高井城は石巻山城の館城的な性格を持つ。
私が豊橋市の古城跡のなかで最初に訪れたところである。
 南北朝時代の延元年中、南朝方美濃土岐氏がこの地に移り、土地の名を取って高井氏と名乗ったという説がある。高井主膳正が居城した。
然し、南朝興国五年、北朝康永三年(1344)北朝方に攻められ落城、主膳正は自害したという。
高井氏の後、西郷清員、白井作左衛門が一時期移り住んだという説もある。
 城跡一帯は後に開墾され耕地となっているが、丘陵北端に土塁の一部が「塚」と呼ばれ残る。また、東側と西側丘陵端に堀の痕跡をみることができる。その東側堀跡(姫街道脇)には高井の地名由来ともいう、清水がある。
 城跡は縄文前期からの複合遺跡である「城ノ内遺跡」でもあり、辺りの耕地からは石器や土器、陶器片が散見している。
以前「塚」の西側の畑の人に土器片等を提供していただいたことがあったが、今は荒地となり、角地に建物が建築中であった。また「塚」東側の蜜柑畑は、幹が切り取られ、所有者曰く「後継ぎが無く、採算も取れないのでやめることにした」ということであった。
30年間、あまり変わらなかった光景も、ここに来て大きく変わろうとしている。
     

コメント (2)
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