小説「新・人間革命」
【「聖教新聞」 2012年 (平成24年)12月26日(水)より転載】
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法旗21(12/26)
第二東京本部の婦人部勤行会で山本伸一は、こう話を結んだ。
「先行きの見えぬ社会であり、人びとの不安は広がり、何が起こるかわからない時代の様相を呈しています。
しかし、強盛な祈りがあれば、何があっても、必ず変毒為薬していくことができる。
信仰とは無限の力です。
無限の希望です。
仏法に行き詰まりはないことを確信して、新しい船出を開始しましょう」
伸一は、婦人部のために語っておきたいことが、たくさんあった。
今後も、最優先して婦人部の諸会合に出席し、未来のためにも、多くの指導を残しておこうと、彼は思っていたのである。
一月十五日には、全国各地で教学部上級登用筆記試験が行われた。
これは「教学の年」第二年の出発となる教学試験であった。
学会の教学試験は、一九七三年(昭和四十八年)に制度が変更されていた。
それまでは、任用試験に合格すると教学部員になり、助師となった。
そして、助師昇格試験に合格すると講師に、講師昇格試験に合格すると助教授補に、助教授補昇格試験に合格すると助教授に、助教授昇格試験に合格すると教授補に、教授補昇格試験に合格すると教授になった。
この制度が整理されたのである。
教学部員になるための任用試験に合格した人が助師になることは同じであったが、昇格のための試験を、初級、中級、上級としたのである。
初級試験の受験資格は、従来の講師と助師であり、合格すると助教授補になった。
中級試験の受験資格は、従来の助教授と助教授補であり、合格者は教授補になった。
そして、上級試験の受験資格は教授補で、合格すると教授になるのである。
剣豪の修行を思わせる教学の研鑽は、学会の伝統であり、その根本精神は一歩たりとも後退することがあってはならない。
しかし、制度は、常に時代に即応したものに刷新されていかねばならない。
時代の変化への迅速な対応を怠る時、組織は硬直化していく。
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