小説「新・人間革命」
【「聖教新聞」 2012年 (平成24年)12月17日(月)より転載】
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法旗13(12/17)
エドワード・M・ケネディ上院議員と山本伸一は、これまで、何度か書簡を交わしてきた。
議員は、柔和な笑みを浮かべて語った。
「私は創価学会の活動を、尊敬の念をもって見ております。
今回、会長を表敬する機会がもてましたことを、心から嬉しく思っております」
議員は、訪問してきたばかりの中国に対する、伸一の見解を尋ねた。
宗教団体である創価学会と、宗教否定の共産主義を掲げる中国が、深い友誼と信頼の絆に結ばれていることに、強い関心があったようだ。
伸一は答えた。
「創価学会は、あくまでも仏法を基調に、平和と文化を推進する団体として、友好を促進してきました。
これまで、私は三回、中国を訪問し、周恩来総理をはじめ、多くの要人と対話しました。
そこでは、宗教論議ではなく、文化、教育の次元で話を進め、同じ人間としてどうするのかという観点で、語り合ってまいりました」
議員は、国家、社会という集団の体制に力点を置いた中国共産党の思想と、個人の救済に力点を置いた仏教思想とは、対立するのではないかという、懸念をいだいていた。
伸一は言った。
「仏法は、すべてを包括する法理です。
第一に、絶対平和主義をめざす思想です。
第二に、生命尊厳の哲学です。万人が仏であると説いています。
第三に、慈悲を根本とした生き方を示す、人道の規範です。
第四に、文化尊重の共存の思想です。
今、大きく四点にわたって、仏法の特質を述べてみましたが、これは、共産主義思想の立場から見ても、なんら否定すべきものはないはずです。
そのうえで、あえて言えば、”モノ”の哲学だけでは、人間の心を満たしていくことはできない。
したがって、共産主義をめざす国々も、やがて、心の豊かさ、充足を説く宗教に、着目せざるを得ないと確信しています」
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【「聖教新聞」 2012年 (平成24年)12月17日(月)より転載】
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エドワード・M・ケネディ上院議員と山本伸一は、これまで、何度か書簡を交わしてきた。
議員は、柔和な笑みを浮かべて語った。
「私は創価学会の活動を、尊敬の念をもって見ております。
今回、会長を表敬する機会がもてましたことを、心から嬉しく思っております」
議員は、訪問してきたばかりの中国に対する、伸一の見解を尋ねた。
宗教団体である創価学会と、宗教否定の共産主義を掲げる中国が、深い友誼と信頼の絆に結ばれていることに、強い関心があったようだ。
伸一は答えた。
「創価学会は、あくまでも仏法を基調に、平和と文化を推進する団体として、友好を促進してきました。
これまで、私は三回、中国を訪問し、周恩来総理をはじめ、多くの要人と対話しました。
そこでは、宗教論議ではなく、文化、教育の次元で話を進め、同じ人間としてどうするのかという観点で、語り合ってまいりました」
議員は、国家、社会という集団の体制に力点を置いた中国共産党の思想と、個人の救済に力点を置いた仏教思想とは、対立するのではないかという、懸念をいだいていた。
伸一は言った。
「仏法は、すべてを包括する法理です。
第一に、絶対平和主義をめざす思想です。
第二に、生命尊厳の哲学です。万人が仏であると説いています。
第三に、慈悲を根本とした生き方を示す、人道の規範です。
第四に、文化尊重の共存の思想です。
今、大きく四点にわたって、仏法の特質を述べてみましたが、これは、共産主義思想の立場から見ても、なんら否定すべきものはないはずです。
そのうえで、あえて言えば、”モノ”の哲学だけでは、人間の心を満たしていくことはできない。
したがって、共産主義をめざす国々も、やがて、心の豊かさ、充足を説く宗教に、着目せざるを得ないと確信しています」
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