和井弘希の蘇生

桂信子先生に師事。昭和45年「草苑」同人参加。現在「里」同人「迅雷句会」参加

清新/十七〈小説「新・人間革命」〉

2016年07月04日 05時37分40秒 | 今日の俳句
清新/十七 法悟空 内田健一郎 画 (5842)


 大地震、大津波が発生した二〇一一年(平成二十三年)当時、元藤裕司は、学会にあって、大槌、釜石、大船渡、陸前高田など被害の激しかった地域の県長であった。
 その日、彼は内陸部で仕事をしていた。釜石の自宅には、目の不自由な義母、妻、娘、乳飲み子の孫がいる。携帯電話もつながらず、家族や同志の安否が心配でならなかった。
 まず自宅へ向かった。交通は規制され、身動きがとれなかった。翌朝、ようやく、わが家にたどり着いた。家の数メートル前まで津波が押し寄せたが、自宅も、家族も無事であった。御本尊に、ひたすら感謝した。
 しかし、安堵に浸る間もなく、総県婦人部長である妻の福代と共に、会員の安否確認に回るため、家を出た。
 街は一変していた。一面、瓦礫に埋まり、廃墟と化し、市街地に向かう道もなくなっていた。でも、なんとしても同志に会わなければならない。裏山の階段を上り、山中を歩いた。藪が生い茂る獣道を進んだ。前日から降った雪に足を取られながら、倒木や崩れた岩を越え、急斜面を下りると、今度は瓦礫が行く手を阻んだ。それを踏み越え、二時間余りを費やして市の対策本部に着いた。
 そこで、各避難所の収容者の名簿を見て、学会員の名前を確認し、避難所に向かった。瓦礫だらけの道なき道を必死に歩き、この日、五カ所の避難所を訪ねた。何人もの学会員と会うことができた。
 着の身着のままで避難所にたどり着き、一夜を過ごした人たちは、憔悴しきっていた。

 元藤は、過酷すぎる現実に言葉を失った。
 「よかった! よかった……」と、ただ手を握り、共に涙することしかできなかった。それでも、皆、喜んでくれた。同志の目に、次第に光が蘇った。
 ともかく会うことから、思いが伝わり、心は結ばれる。行動に勝る雄弁はない。
 被災者でありながら人びとの面倒をみて、忙しく立ち働く学会員もいた。信仰の力を、学会魂の輝きを見た思いがした。



【「聖教新聞」2016年(平成28年)7月4日より転載】


☆彡------☆★☆★☆*------彡☆o☆:*:.♪☆★☆*------☆彡

燕の子/今日の俳句 ≪第2186号≫

2016年07月03日 06時46分53秒 | 今日の俳句
≪2016年(平成28年)7月3日(日)≫(旧暦5/29)


 つばめの子村に異国の嫁が来て      保坂加津夫

 高原のこころつつつつつばめの子     中原幸子

 御破算でねがひましては燕の子      大和田鏡子

 時計台海に向きをりつばめの子      武井美代子

 つばめの子飛ぶや奈良井の深庇      高野清風




※ 燕の子・雛燕・子燕
 巣の中に一列に並んで、口をあけて、親燕が運んでくるエサを争って奪い合っている愛らしい姿が見られる。梅雨に入るころには、もう飛ぶことを習い始める。十月ごろから、南のインド・マライ・フィりピンに向かうのだが、そのころはすでに十分に成長している。
→燕の巣(春)

【新訂「現代俳句歳時記/石田波郷・志摩芳次郎編」主婦と生活社より抜粋】



彡……☆★☆*……☆★☆*……☆★☆*……☆★☆*☆彡……☆☆彡




       ※☆*わが友に贈る*☆※

 毎日が新たな出発だ。
 わが目標の達成へ
 たゆまぬ挑戦を!
 不屈の勇気と知恵で
 黄金の自分史を綴れ!


2016年7月3日




       ※☆*寸 鉄*☆※


 師弟共戦を誓う「7・3」常勝不敗の魂は後継に脈々。民衆輝く新時代共に
      ◇
 兵庫が激闘!執念と粘りと雄弁こそ我らの武器。あっと言わせる逆転劇を
      ◇
 埼玉よ、もう一歩だ。強気の二字で勝機?め。攻めて攻め抜いた方が勝つ!
      ◇
 東北の日。皆様の新生の歩みが復興の太陽に。励ましの光を地域へ社会へ
      ◇
 真に平和的で道徳的な公明は日本の羅針盤―識者立党の大精神を堂々貫け


【聖教新聞:2016年(平成28年)7月3日(日)付】





      ※☆*名字の言*※



一枚のはがきの写しを見た。「人間革命する事だ」「希望もって生きぬけ。若いのだ。若いのだ」等とある。1957年(昭和32年)8月、池田SGI会長(当時、青年部の室長)が兵庫の青年に送ったものだ

青年には心臓の病があった。青い顔で会合に参加した折、室長に声を掛けられた。病を打ち明けると、室長は背中をさすり、一緒に唱題してくれた。住所を聞かれ、送られてきたのが先のはがきだった

その1カ月前の7月3日、室長は事実無根の冤罪で不当逮捕・勾留されていた。半月も続いた取り調べは、精神的にも肉体的にも過酷を極めた。17日の釈放後も、衰弱する恩師・戸田第2代会長を案じつつ、学会を支える激闘は続いた。そのさなか、一青年に真心の励ましを送ったのである

青年は奮い立ち、弘教に奔走。のちに青年部のリーダーに育った。青年の紹介で入会したある友は、「これが私の宝物」とはがきを見せ、「私たちの師匠は、一人の青年を励ます慈愛の指導者です」と熱く語っていた、その姿が忘れられないという

時を逃さない、心を砕いての励ましが、生涯にわたって相手を鼓舞することがある。一瞬の出会い、語らいに、誠心誠意を尽くす――その連続闘争ありて広布の歴史は開かれていく。(芯)



【聖教新聞:2016年(平成28年)7月3日(日)付】



彡……☆★☆*……☆★☆*……☆★☆*……☆★☆*☆彡……☆☆彡





【コラム「北斗七星」】

公明新聞:2016年7月2日(土)付

昨年、各地で順次発行されたプレミアム付き商品券。1万円分で12000円分(割増分2000円)の買い物ができるといった同商品券、「経済効果は薄い」「税金のバラマキ」と批判した解説者もいたが、1年経って発表された経済効果は大きかった

全国の政令指定都市では、同商品券をきっかけに新たに生み出された消費額が、割増分(税金を投入した分)の最大4.4倍にも。全国商店街振興組合連合会の坪井明治理事長は「個人消費の押し上げに直接つながっている」と評価。推進した公明党についても「庶民目線に立って推し進めていただいた」と

川上和久・国際医療福祉大学教授は、「民主主義には、世論が一色に染まりそうな時に、そうでない意見に耳を傾ける高度な知性が求められます」と有権者教育の推進を訴えているが、それは政党にも当てはまる

日本でPKO(国連平和維持活動)協力法が制定された1992年には「若者を戦場に送るな」と左翼政党が大騒ぎした。公明党は冷静に党内論議を経て「紛争当事者の間で停戦合意が成立していること」などを条件とした参加5原則を提案、同法は成立した

今、大半の国民が日本のPKO参加を誇りにする時代になった。批判のための批判を繰り返す左翼政党には、この事実がどう見えるのだろうか。(爽)

夏燕/今日の俳句 ≪第2185号≫

2016年07月02日 05時51分32秒 | 今日の俳句
≪2016年(平成28年)7月2日(土)≫(旧暦5/28)


 むらさきのこゑを山辺に夏燕     飯田蛇笏

 浅い旅寝やまつさかさまに夏燕    廣嶋美惠子

 夏つばめ地より昏れゆく北野坂    橋場千舟

 夏燕すでに水面の夜明けゐて    岡部名保子

 青空を海に浸して夏つばめ     市川英一


※ 夏燕
 燕は春に渡来し、四〜七月に通常二回産卵する。産卵後一ヶ月余りで巣立ちをし、成鳥ともども各地で軽快に飛翔する姿が見られる。青田をかすめて飛ぶ姿など爽快である。
→燕(春)

【「俳句歳時記・第3巻/角川書店」より転載】



彡……☆★☆*……☆★☆*……☆★☆*……☆★☆*☆彡……☆☆彡




       ※☆*わが友に贈る*☆※



 壁を破り進む友に

 最大の称賛を!

 喜びを分かち合えば

 それが新たな力となる。

 心を一つに前へ!

        2016年7月2日





      ※☆*寸 鉄*☆※


 「いい切り給へ」「申し切り給へ」。声を惜しむな!迸る情熱で断固勝ち進め
      ◇
 関西が一糸乱れぬ団結で猛追!ここからが勝負。常勝の底力を天下に示せ
      ◇
 愛知婦人部・女子部が颯爽と拡大!貴女の勝利が皆の勝利。幸の連帯強く
      ◇
 ブラインド紐による幼児窒息事故に注意を―消費者庁。わが家から再点検
      ◇
 65歳以上の人口、初めて4分の1超に。幸齢社会実現へ公明が先頭に立て



【聖教新聞:2016年(平成28年)7月2日(土)付】





      ※☆*名字の言*※


米国のガルブレイス博士の真骨頂は、現実の調査から新しい「事実」を「発見」する「ファクト・ファインディング」だった――そう経済学者の伊東光晴氏は言う(『ガルブレイス』岩波新書)

戦後の日本で、ドラマの主人公をまね、白いストールを頭から巻く「真知子巻」が流行した。だが実際に、東京の銀座4丁目を歩く女性を調べると、「真知子巻」をしていたのは、わずか5%だった。このように「5%でも時代をリードし、時代を象徴する」のが、現代資本主義の特質の一つであることを博士は示した(同著)

「本当に未来の社会の動向を決定するのは、わずか5%の、活動的で献身的な人々の力です。その5%の人々が、やがて文化の総体を変革していくのです」。そう語ったのは平和学者のエリース・ボールディング博士だった。2人の博士はともに池田SGI会長と親交を結び、創価の運動に期待を寄せていた

EU離脱を決めた英国の国民投票のように、僅差でも多数を取った側の方策が採用されるのが、民主主義のルール。だが、時代を画する潮流が、最初は小さな運動から始まることも、歴史の事実である

「日蓮が一類は異体同心なれば人人すくなく候へども大事を成じ」(御書1463ページ)の御聖訓を心に刻みたい。(誼)



【聖教新聞:2016年(平成28年)7月2日(土)付】



彡……☆★☆*……☆★☆*……☆★☆*……☆★☆*☆彡……☆☆彡



【コラム「北斗七星」】

公明新聞:2016年7月1日(金)付

18歳選挙権が導入された参院選で初投票を行うわが家の新有権者と、公明党をお願いするときの語り口について話をしていて、教えられることがあった。奨学金拡充などの実績とともに、これは訴えやすいと一番に挙げたのが「被災者に寄り添う」姿勢だった

中でも東日本大震災のエピソードとして語られる「追いだき」を紹介すると、わが家の新有権者はいたく感動。追いだきとは、公明党が仮設住宅への住民アンケートをもとに、風呂の追いだき機能をつけさせたこと。冬の寒さの厳しい東北では、お湯がすぐ冷めるが、追いだきができなかった

とは言え、簡単に実現したわけではない。当時は「遅い、鈍い、心がない」と言われた民主党政権。閣僚は「お金が掛かる」「対応が困難」との答弁に終始。「これは、あまりにもひどいじゃないのか!」と早期実現を迫り、政府がようやく重い腰を上げた

何度も公明新聞で紹介された話だが、新有権者には初耳だ。曰く「政党、政治家がそこまで親身に動くことを知っている若い人は少ないのでは」「でもなぜ最初から追いだきをつけなかったのか。それもびっくりだ」

阪神・淡路大震災や熊本地震でも公明党の寄り添う姿勢は高い評価を受けた。いざという時に真っ先に駆け付ける党の姿は、世代を超えて心に響くに違いない。(辰)

清新/十六〈小説「新・人間革命」〉

2016年07月02日 05時31分56秒 | 今日の俳句
清新/十六 法悟空 内田健一郎 画 (5841)


 元藤裕司は、釜石の、そして、三陸の広宣流布を心に描いた。そのために“自分に何ができるか”を考え、身近なことから第一歩を踏み出そうと思った。
 “地域の同志のために、「聖教新聞」の配達をやらせてもらおう!”
 彼は、意欲的に、仕事、学会活動に取り組んだ。やがて結婚した。勤務していた建築会社の倒産、自身や義父母の入院・手術などが続いたが、常に唱題を根本に、一つ一つ乗り越えていった。空気圧機器の大手企業への就職も勝ち取った。地域貢献になればと、消防団の活動にも参加した。
 元藤は、よく妻の福代と語り合った。
 「私たちは、学会員として、地域の人たちの幸せのために生きよう!」
 福代も、山本伸一が出席した水沢文化会館での行事に参加し、激励を受けていた。
 裕司は、岩手が生んだ詩人・童話作家の宮澤賢治が好きであった。その作品のなかでも、「雨ニモマケズ」の詩に心が引かれた。
 「東ニ病気ノコドモアレバ 行ッテ看病シテヤリ 西ニツカレタ母アレバ 行ッテソノ稲ノ束ヲ負ヒ……」(注)
 雨にも、風にも、雪にも、夏の暑さにも負けない体と強い志をもって、淡々と質素に生き、苦悩する人びとと同苦し、寄り添い、献身する心に共感を覚えるのである。
 自分もそんな生き方をしようと心に決め、ひたすら三陸の広宣流布に走ってきた。支部長も務めた。「“地域の柱”に」との伸一の言葉が耳から離れなかった。また、「其の国の仏法は貴辺にまか(任)せたてまつり候ぞ」(御書一四六七ページ)との御文を心に刻み、猛然と走り抜いてきた。
 ――二〇一一年(平成二十三年)三月十一日、あの東日本大震災が起こった。三陸は大地震、大津波に襲われた。元藤の住む釜石でも、多くの地域が街ごと流された。マンションの四階まで津波にのまれた。
 この苦難の大波に、彼は、身悶えながらも挑み続けた。信心ある限り、光はある。

 小説『新・人間革命』の引用文献
 注 『宮澤賢治全集第十二巻』筑摩書房=現代表記に改めた。



【「聖教新聞」2016年(平成28年)7月2日より転載】


☆彡------☆★☆★☆*------彡☆o☆:*:.♪☆★☆*------☆彡

三光鳥/今日の俳句 ≪第2184号≫

2016年07月01日 06時27分41秒 | 今日の俳句
≪2016年(平成28年)7月1日(金)≫(旧暦5/27)


 三光鳥大瑠璃小瑠璃結願す     黒田杏子

 三光鳥ききつとにかく朝寝かな     佐々木敏光

 山光鳥帯解き放つ宿院に      小坂順子

 山光鳥あそべる樹々の暗さかな    森田 峠

 山光鳥檜山杉山淋しくす      瀧澤宏司


※ 山光鳥 
 ヒタキ科の夏鳥で、ツキ、ヒ、ホシ(月日星)ホイホイホイと鳴くことから山光鳥と呼ばれる。大きさは葭切ぐらい。上胸以上が紺色。下胸と腹は白く、翼と尾は黒褐色。雄は尾が長く、嘴と目の周囲は美しい青色だが、雌は尾も短く雄ほど目立たない。繁殖期は五ー七月ごろ。低山帯や平地の森林に生息し、秋に南方に去る。

【「俳句歳時記・第3巻/角川書店」より転載】



彡……☆★☆*……☆★☆*……☆★☆*……☆★☆*☆彡……☆☆彡




       ※☆*わが友に贈る*☆※


 「いよいよ・

 はりあげてせむべし」

 大関東の勇者よ

 破邪顕正の魂で立て!

 創価の勝鬨を頼む!

       

2016年7月1日



       ※☆*寸 鉄*☆※


 さあ青年の月!勝利こそ後継の大使命だ。誓いの決勝点へ勇猛果敢に挑め
      ◇
 神奈川婦人部・女子部が?剌行進!正義と共戦の港から拡大攻勢で栄冠を
      ◇
 「仏の力がこもった声は必ず道を開く」と恩師。強盛な祈りで限界を突破
      ◇
 各地で自転車保険の義務化広がる。点検・整備も怠らず。絶対無事故の心で
      ◇
 おたふく風邪が流行の兆し。予防接種・マスクが有効と。体調管理にも留意


【聖教新聞:2016年(平成28年)7月1日(金)付】





      ※☆*名字の言*※


信越地方の多宝会の友が、かつて発した言葉。「キンノギツイタチから気分一新、出発だ!」。「キンノギ」とは「衣脱ぎ」の意。「ツイタチ」は「1日」。「衣替え」の7月1日を意味する方言だという

その地方では、蛇が脱皮した殻も「キンノギ」と呼ぶそうだ。身も心も殻を破って、生まれ変わったような決意で進む季節にふさわしい、と印象に残った

本紙の連載「新・生き生き川柳」に、精力的に投稿する兵庫の婦人がいる。「目標は 今日も勝ったと 言える日々」「モゥ一歩 今日も前進 幸の日々」――青春の意気にあふれる秀作が紙面を飾ってきた。以前の彼女は病弱だった。だが昨年まで23年間、無冠の友(本紙配達員)として使命の道を走り続け、頑健になった。一日一日の勝利の積み重ねが、人生の金字塔を築いた

森?外の『青年』という小説がある。主人公の若者が日記で自問自答する。「いったい日本人は生きるということを知っているだろうか」。そして結論した。「現在は過去と未来との間に画した一線である。この線の上に生活がなくては、生活はどこにもないのである」(岩波文庫)

「今日を勝つ!」という一点に注力する以外に、人生を悔いなく生きるすべはない。「今」に全力を注ごう。(城)



【聖教新聞:2016年(平成28年)7月1日(金)付】



彡……☆★☆*……☆★☆*……☆★☆*……☆★☆*☆彡……☆☆彡



【コラム「北斗七星」】

公明新聞:2016年6月30日(木)付

公明党への支援をお願いする時に、公明党のことだけに限らず、連立政権を運営している「自民・公明」の枠組みで政治を語る必要がある場合もあるが、中には自民党の考えに納得できない人も当然ながらいる。そういう場合の語り口として、先日行われた日本外国特派員協会での山口代表の話は参考になる

自民党の「優れた点とダメな点」を聞かれた代表は、「ダメな点」として「利害に関心が集まり、時々それに振り回される」ことを挙げた。利害が何を指すかは明らかにしなかったが、過去の例を挙げるまでもなく誰もが「フムフム」とうなずくだろう

ここで大事なのは自民党の「優れた点」だ。代表は「柔軟な対応力がある」「地域の実情を知っている」「大局に立って合意を作る姿勢がある」の三点を挙げている

さすがにバランスが取れている。だからこそ自民党は常に高い支持率を保ち、長期間にわたり国民から政権を付託されてきたのだろう

「庶民の声を聴く」公明党だけでは残念ながら政権を担当する力はない。しかし、代表曰く「違った部分もある自民党との連立政権で幅広い民意を受け止めて合意形成ができる」からこそ、公明党の政策が生きているのも事実。世界中の経済が不安に陥っている今こそ、公明党と自民党による政局の安定が必要だ。(流)



 

清新/十五〈小説「新・人間革命」〉

2016年07月01日 05時08分49秒 | 今日の俳句
清新/十五 法悟空 内田健一郎 画 (5840)


 山本伸一は、人生は苦悩との闘争であることを述べていった。
 「経文に『三界は安きこと無し 猶火宅の如し』(法華経一九一ページ)とあるように、現実社会は、常に一寸先は闇といえます。非情であり、残酷です。ゆえに、何があっても負けない自分を築き、わが生命の宮殿を開き、幸福を実現していくために仏法があるんです。
 人生とは、さまざまな悩み、迷いを抱えて、それを乗り越え、乗り越え、生きていくものであるといえるかもしれない。しかし、その苦悩に絶望し、挫折してしまう人もいる。
 御本尊を持った皆さんは、煩悩即菩提、生死即涅槃の法理に則り、いかに絶望の淵に立とうが、敢然と頭を上げて、不死鳥のごとくわが使命に生き抜いていただきたい。悩める友を包み励まし、共々に幸福の道を歩み抜いていっていただきたいのであります」
 最後に、彼は強く訴えた。
 「学会は、人間と人間とが麗しく生き抜いていくためにある。友を励まし、元気づけ、凍てた心の大地に幸せの花を咲かせる人間のスクラムです。この尊い信心の和合の世界が壊されてはならない。広宣流布のため、自他共の幸せのため、社会のために!」
 皆が決意を新たにした。わが使命を自覚した。寒風のなか、胸を張り、はつらつと、地域広布の新しき歩みを踏み出したのだ。
 十一、十二日と、二日間にわたった行事には、久慈、宮古、釜石、大船渡、陸前高田など三陸からも、多数の同志が参加した。
 そのなかの一人に、釜石から駆けつけた二十六歳の男子部大ブロック長の元藤裕司がいた。彼は、幼少期に一家で入会。小学三年の時に父親が他界した。中学を卒業すると建築会社に務め、定時制高校に学んだ。就職して十余年になるが、会社の経営状況は思わしくなく、肉体労働で腰も痛めていた。未来に希望を見いだせず、暗澹としていた。しかし、水沢の勤行会に参加し、自身の使命に目覚めた。心を覆っていた雲が晴れた。
 使命に燃える時、わが胸中に太陽は輝く。

 小説『新・人間革命』語句の解説
 ◎煩悩即菩提など/煩悩即菩提の煩悩とは、衆生の心身を煩わし悩ませる因となる、さまざまな精神作用のこと。法華経以前の教えでは、煩悩は苦悩をもたらす因であり、それを断じ尽くして菩提(悟り)に至ると説いたが、法華経では、煩悩を離れて菩提はなく、煩悩をそのまま悟りへと転じていけることを明かした。
 生死即涅槃の生死は、迷いの境涯であり、涅槃は悟りの境地のこと。煩悩即菩提と同義。


【「聖教新聞」2016年(平成28年)7月1日より転載】


☆彡------☆★☆★☆*------彡☆o☆:*:.♪☆★☆*------☆彡

大瑠璃/今日の俳句 ≪第2183号≫

2016年07月01日 05時05分41秒 | 今日の俳句
≪2016年(平成28年)6月30日(木)≫(旧暦5/26)



 この沢やいま大瑠璃鳥のこゑひとつ   水原秋櫻子

 大瑠璃鳥や白灯台に灘の照り     岡部六弥太

 オオルリの恋のはじまり青まだ      豊田ささお

 行きし瑠璃鳥またかへしきぬ山葵沢   橋本鶏二

 風入るる藤村旧居瑠璃鳥のこゑ    堀口星眠


※ 大瑠璃
 ヒタキ科の夏鳥。その渡来は比較的早く四月中旬日本へ来て囀る。大きさは雀ぐらいで、雄の背面は目の覚めるような瑠璃色だが、雌は背面が茶褐色でさして美しくない。繁殖期は五ー七月ごろ。高く澄んだ美声でピールリと囀り続け、ジュッジュッという軋み声を混ぜる。その声が良いので、古くから鶯・駒鳥とともに三鳴鳥といわれている。

【「俳句歳時記・第3巻/角川書店」より転載】




彡……☆★☆*……☆★☆*……☆★☆*……☆★☆*☆彡……☆☆彡




       ※☆*わが友に贈る*☆※



 地道な労作業が

 偉大なる歴史を創る。

 ゆえに今日も

 少しでも前へ!

 わが責任を果たしゆけ!

       

2016年6月30日



       ※☆*寸 鉄*☆※


 「法華経は大音声」「題目は大音声」御書。今こそ大確信の祈りで勝ち進め
      ◇
 兵庫婦人部・女子部が対話拡大に疾駆!無敵のスクラムで勝利の門を開け
      ◇
 学生部結成記念日。正義が輝く時代へ吼えよ!民衆厳護の旗持つ革命児よ
      ◇
 2030年までに乳幼児6900万人死亡―予測国連中心の支援強化必須
      ◇
 掲示板の「炎上」は少人数で何度も書込―対策必要と識者。健全な言論、皆で





【聖教新聞:2016年(平成28年)6月30日(木)付】





      ※☆*名字の言*※


訪日客の増加などで英語ブーム再来という。“英会話から、英対話へ”――ある英語教室の広告が目に留まった

会話と対話は違う。「会話」とは、言葉を投げ合う雰囲気の中で漠然と互いを理解すること。一方、「対話」は、他者との「差異」を大切にして他者の重みをしっかり捉えること。哲学者・中島義道氏にそういう趣旨の文があった(『「思いやり」という暴力』PHP文庫)

ある男子部の友が、会社をリストラされた同志を励ました。だが「俺の気持ちなんか分かりっこない!」と心を閉ざされてしまう。少しでも力になりたいと、求人情報を集めるうち、男子部の友は、彼が働いていた業界の、労働条件の厳しさを知った。仕事着のまま、会合に駆け付けていた姿を思い出し、胸を熱くした

再び彼を訪ねた時、掛ける一言一言の重みは、おのずと違った。彼の表情は一変し、対話は深まった。希望の就職を果たし、再び創価の陣列に加わった

「対」には「こたえる」との字義がある(『字通』)。通り一遍の言葉でなく、「差異」を受け止め、理解しよう、応えようとする誠実が、「対話」を実りあるものにする。「真の対話は、他者の尊極の生命に対する敬意から始まる」とは、池田SGI会長の指導である。(江)



【聖教新聞:2016年(平成28年)6月30日(木)付】



彡……☆★☆*……☆★☆*……☆★☆*……☆★☆*☆彡……☆☆彡





【コラム「北斗七星」】

公明新聞:2016年6月29日(水)付

元海軍の祖父が腕を押さえて語った姿を覚えているという。「空からの弾が当たってしまったんだよ」。沖縄県金武町立金武小学校6年の仲間里咲さん。沖縄戦から71年の慰霊の日(23日)の追悼式で、今は亡き祖父に祈りを込め、沖縄の方言を交えて詩を朗読した。「平和ぬ世界どぅ大切(平和の世界こそ大切)」と

仲間さんは空飛ぶオスプレイを見て「今は平和なのか」と考えるという。後を絶たない米軍関係の事件・事故。4月には米軍属の女性暴行殺人事件も発生した

同事件を受け公明党は、直ちに在沖縄米軍基地調査ワーキングチーム(WT)を設置。基地の実態調査を行い、日米地位協定の見直しも視野に提言をまとめる方針だ。斉藤鉄夫WT座長は「沖縄の歴史を変えるような提言に」と意気込む

あす30日は、児童12人(1人は後遺症で死去)を含む18人が犠牲となった宮森小学校米軍機墜落事故(うるま市)から57年。再び沖縄は鎮魂の祈りに包まれる。「二度と米軍関係の事件を起こさせない」。公明党の新たな闘いが始まった

基地に反対するだけでは平和は訪れない。「平和には備えを固め、争いを起こさない仕組みを整え、課題は対話で解決するのが大事だ」(山口那津男代表)。参院選で訴えたい。「平和の世界を築くには公明党の存在こそ大切」。(治)