小説「新・人間革命」
【「聖教新聞」 2012年 (平成24年)12月20日(木)より転載】
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法旗16(12/20)
山本伸一の声は、熱を帯びていった。
「ソ連の首脳も人民も人間です。
中国の首脳も人民も人間です。
その認識に立ち、『人類は、一つの共同体である』との国際世論を高めていくべきです。
そこに、明確な目標を定めて挑戦していただきたいんです。
国際社会に、多くの課題があることは当然です。
しかし、貴国が大変な時はソ連も中国も大変なんです。
自国が大変な時は他国も同じなんだと考え、対話を進めてください」
エドワード・M・ケネディ上院議員は、大きく頷いた。彼は、アメリカと中国の国交正常化に心を砕いていたのである。
「会長のお話を伺っていて、米中交流の一つの考えが浮かびました。
たとえば、アメリカに親戚がいる中国人に米国訪問を許可します。
アメリカ人にとって、訪米した中国人を目の当たりにすることは、中国観を変える大きな契機になると思います。
アメリカ人も中国人も、家族を大切にすることは同じです」
「賛成です。地味なようですが、大きな意味をもつことになります。
極めて人間的、現実的な発想です」
議員は、笑みを浮かべて言った。
「私は思います。”人びとが互いに理解し合い、尊敬し合っていくためには、自らが人間的行動を起こし、精神と精神の触れ合いをつくっていかなければならない”と。
私は、会長の思想に賛同します。復帰すべきところは『人間』です。
『人間に帰れ』です」
「そうです。その通りです!」
さらに議員は、言葉をついだ。
「アメリカは、軍事的にも、経済的にも大国です。
だからこそ、『自己抑制』と『最大の寛容』がなければならないと思っています」
そして、そのためには、政治の根底に宗教が必要であると語った。
会見には、魂の共感があった。日米の間にまた一つ、友好の橋が架けられた。
伸一は、広布第二章の「支部制」を軌道に乗せるための激闘を続けるなかでも、世界を結ぶために、行動し続けていたのである。
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【「聖教新聞」 2012年 (平成24年)12月20日(木)より転載】
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法旗16(12/20)
山本伸一の声は、熱を帯びていった。
「ソ連の首脳も人民も人間です。
中国の首脳も人民も人間です。
その認識に立ち、『人類は、一つの共同体である』との国際世論を高めていくべきです。
そこに、明確な目標を定めて挑戦していただきたいんです。
国際社会に、多くの課題があることは当然です。
しかし、貴国が大変な時はソ連も中国も大変なんです。
自国が大変な時は他国も同じなんだと考え、対話を進めてください」
エドワード・M・ケネディ上院議員は、大きく頷いた。彼は、アメリカと中国の国交正常化に心を砕いていたのである。
「会長のお話を伺っていて、米中交流の一つの考えが浮かびました。
たとえば、アメリカに親戚がいる中国人に米国訪問を許可します。
アメリカ人にとって、訪米した中国人を目の当たりにすることは、中国観を変える大きな契機になると思います。
アメリカ人も中国人も、家族を大切にすることは同じです」
「賛成です。地味なようですが、大きな意味をもつことになります。
極めて人間的、現実的な発想です」
議員は、笑みを浮かべて言った。
「私は思います。”人びとが互いに理解し合い、尊敬し合っていくためには、自らが人間的行動を起こし、精神と精神の触れ合いをつくっていかなければならない”と。
私は、会長の思想に賛同します。復帰すべきところは『人間』です。
『人間に帰れ』です」
「そうです。その通りです!」
さらに議員は、言葉をついだ。
「アメリカは、軍事的にも、経済的にも大国です。
だからこそ、『自己抑制』と『最大の寛容』がなければならないと思っています」
そして、そのためには、政治の根底に宗教が必要であると語った。
会見には、魂の共感があった。日米の間にまた一つ、友好の橋が架けられた。
伸一は、広布第二章の「支部制」を軌道に乗せるための激闘を続けるなかでも、世界を結ぶために、行動し続けていたのである。
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