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林翔 90歳の句集 「光年」

2006-05-19 20:51:21 | Weblog
夕風や白薔薇の花皆動く 正岡子規

 なるべくPCに向かう時間を制限しているが、どうしてもじっとして
 いられない。現代社会人は沈黙や静寂の生活に慣れていないし、
 ましてや俳句になるとじっとしていられない性分は自分でも手を焼く。

 林翔の名前はこのブログでも何度か紹介できました。
 現在は、能村登四郎亡きあとを継いだ能村研三氏の後ろ盾となって
 「沖」を支えている。
 なんとも90歳と言う齢。私の父と同齢で、かたや訪問看護を受けている。
 ある意味、それが普通であるかも知れない。
 その第七句集の夏の句を少しご紹介したい。


  平成九年  いぶし銀てふ寡黙もて梅雨迎ふ
        鉄橋の弧に弧を重ね虹の立つ
        さんずゐの点点点の涼しさよ

    十年  すべり合ふ少女の言葉若葉風
        百態の人の一人は汗拭けり

   十一年  その上の雲より白く山法師
        ストローを細き涼気の昇りゆく

   十二年  日の目見る男の乳首夏に入る
        夜の風鈴月の言葉と言いつべく

   十三年  登四郎先生死去
        登四郎登四郎登四郎憶ひ五月逝く
        白地好きの君よ黄泉路も白地着て
        ハンカチが胸に際立つ遺影かな

   十四年  打水や石への愛は日に一度
        辻に来て風の惑ひの風鈴屋
        
   十五年  昼顔よ道に迷ひし吾を笑へ

  如何だったでしょうか?
  十三年の句は心が熱くなりました。

 
  
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3 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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感謝 (みー)
2006-05-19 22:18:15
いつもながら、美しい写真と素晴らしい俳句の数々を、ありがとうございます。

御目にどうぞ負担がかかりませんように。

小出しにして書いてくださいね。

楽しみにしています。
返信する
感謝 (みー)
2006-05-19 22:21:26
いつもながら、美しい写真と素晴らしい俳句の数々を、ありがとうございます。

御目にどうぞ負担がかかりませんように。

小出しにして書いてくださいね。

楽しみにしています。



返信する
ありがとうございます (ころころ)
2006-05-19 22:58:00
みー様お気遣いありがとうございます。

写真やメモは後の俳句の種になると思っています。

携帯電話のカメラは撮ってすぐPCに送れる利点は

有りますが、今一かも知れませんね。
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