7月 17日

2024-07-17 04:22:33 | Weblog

                            万緑・萬緑

 

 

 

             万緑の中や吾子の歯生え初むる          中村草田男

 

          「萬緑の」は「萬緑(万緑)」は紅一点 「万緑叢中紅一点」の一説。 中国の王安石が

          作った「詠柘榴詩」という詩にある言葉で、「緑の草むらの中に一つだけ赤いザクロが

          咲いている」ということを指していた。 現在では意味を転じて、男性ばかりの中に女性が

          一人だけ混ざっていることや、ひときわ目立つ存在のことを言う。

 

          掲句が季語として初めて用い定着させた句である

          辺り一面が草木の緑に覆われた状態を万緑(ばんりょく)と言う。

          初夏の新緑のみずみずしい緑よりも強い、真夏の深い緑

 

 

 

                

 

 

 

          万緑の目にしむ伊賀と思ひをり          細井綾子

 

          万緑や書を借りて出る赤煉瓦           栗田やすし

 

          万緑の正殿に置く石一つ             国枝隆生

 

          万緑や鳥語それぞれ美しき            武藤光晴

 

          万緑にせり出す寺の大舞台            伊藤範子

 

          万緑に開きし森のエレベーター          利行小波

 

 

 

                

 

 

 

          万緑の上にみどりの伊吹山            福田蓼汀

 

          カーテンは閉めじ万緑裡に寝ねむ         林 翔

 

          万緑の仕上げの雨の五六粒            岡本 眸

 

          水軍の島万緑に盛りあがり            西村旅翠

 

          万緑や動かぬ山の近づき来            永田耕一郎

 

          雲水の声万緑の堂に満つ             加藤耕子

 

 

 

                

 

 

                   サイトから一部資料・写真お借りしています   

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