1月 21日

2020-01-20 18:38:16 | Weblog
                   笹鳴・笹子・藪鶯・冬鶯

     ≪三冬≫山から下りてきた鶯が藪や生垣で舌打ちするような声で鳴くこと


     父眠る軍人墓地や笹子啼く         栗田やすし


     笹鳴や満月登る富士の肌          澤木欣一


     笹鳴のまことに稚し焼け山に        細見綾子


     笹鳴や家並見下ろす観世音         奥山比呂美


     奥宮へ七百余段笹子鳴く          矢野孝子


     息かけて拭く窓硝子笹子鳴く        清水弓月


     畑隅に捨て大根や笹子鳴く         武藤光晴


     笹鳴や句碑に夕日の移り来し        国枝洋子


     笹鳴や夕日射し込む藪の奥         磯田なつえ


     笹鳴や夕日明りの雑木山          伊藤旅遊


     笹鳴やみどり増したる句碑の苔       梅田 葵


     生垣に笹子来てゐる杓子庵         矢野愛乃



      尼寺のかんぬき太し夕笹子         中川幸子



          



     笹鳴の舌の強さよ藪の中          滝沢伊代次


     笹鳴や十能の火を書院まで         大峯あきら


     笹子鳴きふたゝび空はくもりけり      桂 信子


     笹子鳴く真昼やさしき甲斐の山       飯田龍太


     古園荒る冬鴬の端麗に           山口青邨


     川の名の信濃にかはる笹子かな       古舘曹人
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