子どもの健康

子どもたちの健やかな成長を願って、子どもに関する小児科医の雑記

日本小児科学会推奨の予防接種スケジュール

2012-05-27 14:31:01 | 雑記
「日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール」が更新されました。

3点の変更があります。

1、ヒブワクチン

 追加接種(4回目)の時期を、「添付文書では初回3回目の接種からおおむね1年あける」と記載されてますが、より早期に追加接種の効果をえるために、「追加接種(4回目)は生後12ヶ月から接種することで適切な免疫が早期にえられる」との1文が加えられました。

 ただし、今のところ各自治体の費用助成は添付文書通りに行われていることが多いので、おおむね1年経っていない追加接種費用の助成は受けられないと思われ、行政の速やかな対応が望まれます。


2、ロタウイルスワクチン

 現在接種が可能な1価ワクチン(ロタリックス:2回接種)に加え、まだ発売されていませんが5価(ロタテック:3回接種)のスケジュールが加えられ、どちら共に初回接種は「生後8週~15週未満を推奨する」とされています。


3、水痘ワクチン

 2回目の接種推奨期間が「5歳以上7歳未満」から「18ヶ月以上2歳未満」に変更されました。
 詳しい説明は原文を参照してもらえたらと思いますが、これによると水痘ワクチンの予防効果はいままで考えられていたより悪く、保育園など集団生活に入る予定でできるだけ水痘発症を予防するためには、早期に2回接種を済ませる必要があり、このことは我々現場の医療機関も早急に対応しなければと思います。


 この小児科学会推奨スケジュールは、適切な時期に接種を完了するために、同時接種を前提で考えられています。
 同時接種に関しては、日本以外の諸外国では当たり前に実施されている医療行為で、同時接種での各ワクチンの有効性に問題はなく、有害事象や副反応のリスクが増えないことも確認されており、日本小児科学会も「同時接種は、予防接種を効率的に行うために重要かつ必要な医療行為である」という考え方を2011年1月に発表しています。

 子どもたちをワクチンで予防できる感染症から守るために、すべての子どもたちが適切な時期にワクチン接種をうけられるように、同時接種が当たり前のこととして定着することが望まれます。

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