子どもの健康

子どもたちの健やかな成長を願って、子どもに関する小児科医の雑記

ヒブワクチン・肺炎球菌ワクチンの接種時期

2011-09-19 18:37:48 | 雑記
先日、肺炎球菌ワクチンの全国接種率が40%程度とメーカーから情報提供がありました。
千葉県でも、全額費用助成がされているにも関わらず40%にとどまっているとのことでした。

本年3月に、ワクチン接種後の死亡事例の報告があり、両ワクチン自体や同時接種に対する不安が広がってしまった影響が考えられますが、それ以外にも医療機関側のワクチン接種受け入れ能力の限界もあるように感じます。

多くの小児科で、予防接種業務は処理能力の限界にきています。

幸いに当クリニックでは、ワクチン同時接種に対する不安から個別に接種を希望する方が比較的少なく、なんとか適切な時期にヒブワクチン・肺炎球菌ワクチンを接種できているのではないかと思います。

他の小児科では、個別に接種を希望する方が増えてしまい、思うように適切な時期に接種ができなくなっているような話も耳にします。

予防接種は単に受ければ安心と言うだけでなく、適切な時期に接種しなければ、その恩恵は半減してしまいます。
ヒブ・肺炎球菌による髄膜炎は、1歳未満の乳児~1歳代での発生が多く、その後年齢を重ねるごとに発生数は急激に減っていきます。なので出来るだけ早い時期からの接種(生後2ヶ月)が推奨され、DPTなどとの同時接種をすれば、順調にいけば生後4ヶ月には初回3回の接種を終了することができます。

どんなワクチンでもワクチン単体での重篤な副作用の発生は希にありますが、ワクチンの同時接種で問題が発生することはありません。多くの子どもたちが適切な時期にワクチン接種を受けるためには同時接種は必要です。不適切な不安により、ワクチンで病気を予防するという本来の目的を損ねてしまわないよう考えてみて下さい。

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