子どもの健康

子どもたちの健やかな成長を願って、子どもに関する小児科医の雑記

タミフルと異常行動

2007-04-26 01:28:12 | 雑記
インフルエンザの流行もほぼ終息したようですが、まだ当院小児科外来には1日に1~2人ほどインフルエンザの患者さんが確認されます。

25日に厚生労働省がタミフル服用後に異常行動を起こした例が、今年の3月21日以降新たに59例報告され2001年の販売開始から合わせて186例の報告があったとの発表をしました。

何故この短期間に急に報告が増えたのか?
おそらく、一連の報道により患者さんも医師も敏感になり、今までは気にしていなかったり様子をみて済ましていたような症状を報告するようになったためではないかと思います。

ここで少し気になるのは、異常行動の報告の仕方やその結果の報道発表の仕方が、異常行動がタミフルの副反応であるといったことを前提として行われ、評価が偏ってしまっているように感じることです。
異常行動を評価するにあたっては、タミフル内服の有無に関わらずインフルエンザ全例に対して行わなければならないのだと思いますが、実際にはタミフル内服していない場合での異常行動の正確な評価は出来ていないのが現状だと思います。

インフルエンザ自体は、多くの健康な方にとっては自然治癒する感染症なので、タミフルに副反応の可能性があるのであればその評価がはっきるするまでタミフルの使用を限定的にすることは必要だと思います。

ただ、最近のタミフルの一連の報道などをみていると、情報が一方的すぎて操作されているように感じてしまうのは私だけでしょうか?

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