小部屋日記

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ゾディアック

2007-06-17 | サ行の映画

Zodiac(2007/アメリカ)【劇場公開】

監督 :デヴィッド・フィンチャー
出演:ジェイク・ギレンホール/マーク・ラファロ/ロバート・ダウニー・Jr/アンソニー・エドワーズ/ブライアン・コックス/イライアス・コティーズ

アメリカ犯罪史上、稀な未解決事件である“ゾディアック事件”。
この連続殺人鬼を追う男たちの運命、犯人の実像に迫る物語。

正直、2時間30分は長い・・・疲れた。。
もっとコンパクトだったら、星半分増えたかも。
でも同じ未解決事件を題材にした「ブラック・ダリア」が無理矢理こじつけてあったのに比べ、実録ものとして丁寧につくられてありました。
娯楽ものではないけど、人間の心理、犯罪の裏側がよく描かれてあったと思います。


1969年カリフォルニア。カップルがドライブ中、何者かに銃で撃たれ女性は死亡。直後、ある男から犯行をほのめかす電話がある。
一か月後、新聞社に犯人からこの事件と別のカップルを射殺したという声明文と暗号文が届く。
こうしてゲームははじまったのだ・・・


この作品に出てくる刑事も漫画家もジャーナリストも実在の人物だそうです。
前半はいくつかの事件が描かれ、用意周到で凶悪、犯人の残忍さが伝わってきて恐い!
暗号文を送りつけたり、TV番組で電話対談したり特異な犯人像。
後半は、事件の謎にとりつかれた男たちがふりまわされる姿が描かれています。
酒に溺れる者、殺人課を離れる者、スキャンダルに巻き込まれる者・・・

展開がちょっとずつしか進んでいかないので、せっかちな人は退屈しちゃうかもしれないけど(^^ゞ)、観終わってから思うと完成度は高い気がするなあ。
今年のカンヌ映画祭のコンペ部門に出品されましたね。


真面目な漫画家のグレイスミスが「犯人の目をのぞきこみたい」というのは、人間がもってる非日常的な恐いものにふれてみたい願望なのかもしれない。
でも事件とは直接関係のない人間が、家族を犠牲にし、長い年月をかけて事件にのめりこむのはイマイチ説明不足。
犯罪は時間がたつにつれて、忘れていくもの。
でも被害者たちの家族や担当刑事は忘れることはない。
未解決事件の奥深さが味わえました。

にしても今から35年前の事件にしては、刑事たちが証拠品にベタベタ素手で触っていて、それが気になったかな^^;
管轄違いのため情報が行き届かないとか、捜査自体が迷宮に入り込んでましたね。

「ダーティハリー」はこの事件を題材につくられたものだったとか!
フィンチャー監督らしくない地味めだけど、しっかりつくりこんである映画でした。

同僚刑事役が「ER」のマーク先生だとは(アンソニー・エドワーズ)、途中までわからなかったよ・・・

★★★★(5段階☆は0.5)

「ゾディアック」公式サイト

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