小部屋日記

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みえない雲

2007-06-14 | マ行の映画

DIE WOLKE(2006/ドイツ)【DVD】

監督:グレゴール・シュニッツラー
出演:パウラ・カレンベルク/フランツ・ディンダ/ハンス=ラウリン・バイヤーリンク/トマス・ヴラシア/カリーナ・ヴィーゼ/リッキー・ミューラー

レンタル屋さんで一番下の棚においてあった映画。
さすがドイツ映画らしく骨太なつくり!
チェルノブイリ原発事故直後の1987年に発表され、数々の文学賞を受賞したベストセラー小説を映画化したものとか。
ジャンル分けが難しく、社会派+パニックもの+純愛映画かな。

突然の原発事故で混乱をきたす街と、そのなかで強い愛をはぐくんでいく男女の姿を描いた作品。
重いテーマのわりには、希望にあふれた内容でホッとしました。
日本は原発の国でもあるし、被爆国でもある。
他人事ではないっす。。

美しい自然に囲まれた小さな街に住む高校生のハンナ。
母と幼い弟と3人で幸せな毎日を送っていた。
ある日学校で、気になる存在の男の子エルマーと初キスをしてる最中、突然の警報・・・
いつもと変わらない日々だったはずが、このサイレンによりハンナの運命は大きくかわっていく。


原発で放射能漏れの事故が起こり、街は大混乱。
外出中の母親と電話で連絡をとるが、途中とだえてしまう。
ハンナと弟は自転車で逃げますが、道路は車であふれかえり、人間はパニック状態。


途中、ハンナにとって悲しい出来事が起きる。。辛すぎるよ。
リアルすぎて悪夢であってほしいと思った。
そして彼女を襲った黒い雲。
被爆し、生と死のはざまで生きる気力もなくなるハンナ。
ここまでは悲惨な話の連続でやるせなくなり、観るのをやめようと思ったぐらい・・。
が、エルマーが自分を探しにきてくれたのだ!!
ここでちょっと安堵しましたね。


母の行方もわからない、誰も知らない街で、いつ死ぬかわからない自分。
でもエルマーの愛で彼女は立ちなおっていく。
髪は抜け落ちるが、体も徐々に回復し健気に学校に通うハンナ。
ありのままでいたいハンナは帽子もかぶらない。
周りの人間は被爆してる彼女を白い目で見るんだよね。やだねー。
でも彼女は負けないのだ。
ハンナ役のパウラ・カレンベルクが、体当たり演技でひきこまれました。

突然起こった悲劇に真っ向から立ち向かうひとりの女子高校生の姿は、希望を与えてくれました。
はじめはよそよそしかった伯母と一緒に暮らすうち、徐々に打ち解けるようになる部分は、うれしかったな。
見守ってくれる人がいることは、どんなに心強いものか。

みえない雲とはよくいったもので、放射能は目にみえない。
身近な話でもあり、だから恐い。。


エルマー役の俳優さん(フランツ・ディンダ)が、キアヌ・リーヴスを彷佛とさせるのです。笑
ホント、よく似てなあ。
ハンナの弟くんもかわいかったです。

★★★★(5段階☆は0.5)

「みえない雲」公式サイト

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