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梅雨

2011-07-07 07:50:32 | Weblog
梅雨だというのに、ゲリラ豪雨と猛暑である。アジサイをぬらしてしとしと降り続く風情は、どこにいってしまったのだろう。

四季が規則正しく巡るという「歳時記」の看板があやしくなってくる。季節の歩みは土地によって違う。地球環境がどうにかなって、四季もおかしくなったのか。

「青蛙おのれもペンキぬりたてか 芥川龍之介」という句がある。梅雨のゆううつをしばし忘れる愉快な句。もっとも、昨今の豪雨にはカエルも退散する。ペンキもすぐに乾くから、「塗り立て注意」のおかしみも薄れる。

時代によって句の味わいは変わる。別の愉快な句。「梅雨続く小錦十人いるような 坪内稔典」。巨漢力士を知る人は、ニヤリとさせられる。知らない世代には謎の句にしか映るまい。

さしずめ、賞味期限付きの名句か、うっとうしい人は、ほかにもいる。試みに、「顔も見たくない」時の人の名を「小錦」の代わりに詠んでみる。ピタリとはまりすぎて、何のおかしみも余韻もない。

首相まで居座るおかしな梅雨は、いつになったら明けるのだろう。


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