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多子

2013-05-24 07:11:20 | Weblog
日中戦争が泥沼し太平洋戦争に突入する前の昭和14年、厚生省は「多子家庭表彰要綱」を発表した。10人以上の子どもを産み、育てた約1万の家庭が翌年、表彰された。

「多産報国」の政策が打ち出された背景には、人口の自然増加が止まったことへの危機感があった。子どもに恵まれなかった夫婦は肩身の狭い思いもしただろう。

こんな歌を読んだ人がいる。<国のため生めよ殖やせときほふ世に子のなき妻と我とひそけし>倉科果村(『短歌で読む昭和感情史』)戦争のために、気負って産めよ増やせよと、多産を要請される時代は遠くになったが、社会保障の持続という観点から、深刻な少子高齢化は最大の政治課題である。

妊娠や出産の適齢期など医学的な知識、情報を若い女性に知ってもらおうと、森雅子少子化担当相の下で発足した「少子化危機突破タスクフォース」が導入を検討する「生命と女性の手帳(女性手帳)」に批判が集まっている。

若い時に出産するよう圧力をかけられている、少子化の原因を女性だけに押し付けている、と受け止められているからだ。知識の啓発なら、学校で教える方がよほど効果的だ。

働く女性が子どもを産み、時期が来たら職場に戻る。欧米では、当たり前の事ができない社会の仕組みから変えていきたい。「待機児童」という恥ずべき行政用語にはもう退場願いたい。