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マイナンバー

2013-05-06 06:35:28 | Weblog
今から50年前、「背番号候補事件」という珍事が起きた。高度経済成長の真っただ中、1963年の衆院選でのことだ。

東京都内の7選挙区の候補者名簿を見ると、1区に藤田一郎がいて、2区に笠原二郎と続き、7区に鶴岡七郎。再び一区に戻って木村八郎、2区に下田九郎という具合に「数字名前」が27人もそろった。

偶然ではない。選挙屋として暗躍し、詐欺師で逮捕された肥後亨なる人物の選挙戦術だ。彼は候補者名を数字でそろえた理由をこう語った。「名前を番号にしたのは、軍隊でも刑務所でも人間に番号をつけるのと同じで、候補者が多いので隊内の規律のために番号をつけただけの話」。

確かに、多くの人を管理するのに通し番号は便利だ。学生番号や社員番号などさまざまな番号で私たちは管理されている。だが、生まれた時から番号を付けられ、何をするにもそれがついて回るとなると、話は別だ。

集約された膨大な個人情報はサイバー犯罪の格好の標的となる。社会保障番号なしでは社会生活がままならぬ米国では、他人の番号を悪用する「なりすまし犯罪」の被害が年数兆円にもなるという。

国会で法案を審議中の「マイナンバー」が同じ轍を踏まぬ保証はない。「背番号詐欺事件」の犠牲になるのは、管理する側ではなく、される側だ。