先日は春の雨が地を潤した。虫が目覚める。「啓蟄(けいちつ)」にふさわしい日だった。だが、虫や小動物と出合う機会はめっきり減った。
台所でアリの行列を見なくなって久しい。食事中ハエを手で追うことも、夜中に蚊をたたきつぶすことも少なくなった。おなかの虫は健在で、日々の紙面にも顔を出す。曽野綾子さんが格安航空にかみついていた。
時代をバッサリ斬る連載を愛読するが、毎回、筆者の虫の居所は相当よろしくない。水橋文美江さんの子育て記録は、かんしゃく玉との上手な付き合いがほほえましい。
2人にならって、腹の中の虫や玉は上手になだめたい、がれきの受け入れを自治体の「86%が難色」という記事があった。理由も出ており、いろんな事情があるのだろうが、復興の妨げになるがれきの山には、これから有害な虫もはびこるだろう。
放つてはおけまい、麗しい「絆」の大合唱の後は「難色」に右へならえ。虫がよすぎるように思えて仕方ない。近年は自己を中心に、はいずり回る「ジコチュウ」なる虫が増えているか。そんな虫が目覚める春でなければいいのだが。
台所でアリの行列を見なくなって久しい。食事中ハエを手で追うことも、夜中に蚊をたたきつぶすことも少なくなった。おなかの虫は健在で、日々の紙面にも顔を出す。曽野綾子さんが格安航空にかみついていた。
時代をバッサリ斬る連載を愛読するが、毎回、筆者の虫の居所は相当よろしくない。水橋文美江さんの子育て記録は、かんしゃく玉との上手な付き合いがほほえましい。
2人にならって、腹の中の虫や玉は上手になだめたい、がれきの受け入れを自治体の「86%が難色」という記事があった。理由も出ており、いろんな事情があるのだろうが、復興の妨げになるがれきの山には、これから有害な虫もはびこるだろう。
放つてはおけまい、麗しい「絆」の大合唱の後は「難色」に右へならえ。虫がよすぎるように思えて仕方ない。近年は自己を中心に、はいずり回る「ジコチュウ」なる虫が増えているか。そんな虫が目覚める春でなければいいのだが。