俳優の高倉健さんが紙面に載っていた。富山でもロケをした映画「あなたへ」の撮影が門司港で終わったという話題。
何度目をこすって見ても、年齢80歳とある、健さんの写真をじっと見た。もう任侠映画ははやらないが、長がドスを片手に着流し姿で、「お命ちょうだいします」とやっても十分通用するだろう。たまげてしまう。
列島を移動したロケを振り返る言葉が、またいい。「『ローマの休日』ではないが、思い出は何といっても門司港」。半世紀以上前の名画のラストを知らないと、この言葉は味わえない。映画に対する賛辞と情熱を伝える名優である。
健さんはテレビにめったに出ない。理由は知らないが、ある助監督から映画とテレビの違いを聞いたことがある。100年かけて夢の世界を築き上げたのが映画で、そのおいしい所つまみ食いするのがテレビ。
異論や例外はあろうが、二つは似て非なるものだという、喜寿を過ぎた先達を、無礼にも「健さん」となれなれしく呼んで親しむ。映画は不思議で魅力ある世界である。そこで不思議な健さんにまた会える。楽しみなことである。
何度目をこすって見ても、年齢80歳とある、健さんの写真をじっと見た。もう任侠映画ははやらないが、長がドスを片手に着流し姿で、「お命ちょうだいします」とやっても十分通用するだろう。たまげてしまう。
列島を移動したロケを振り返る言葉が、またいい。「『ローマの休日』ではないが、思い出は何といっても門司港」。半世紀以上前の名画のラストを知らないと、この言葉は味わえない。映画に対する賛辞と情熱を伝える名優である。
健さんはテレビにめったに出ない。理由は知らないが、ある助監督から映画とテレビの違いを聞いたことがある。100年かけて夢の世界を築き上げたのが映画で、そのおいしい所つまみ食いするのがテレビ。
異論や例外はあろうが、二つは似て非なるものだという、喜寿を過ぎた先達を、無礼にも「健さん」となれなれしく呼んで親しむ。映画は不思議で魅力ある世界である。そこで不思議な健さんにまた会える。楽しみなことである。