還暦後

ロックバンドのリーダー・佐々木忠平さんが還暦後の学問のすすめを説いていた。年寄りのための学校をつくれ、という提案である。

いまさら方程式やナントカの法則と付き合うのは、気が乗らない。だが、修学旅行があるのなら、心が動く。遠い昔の思い出は、深夜の旅館で騒いだことばかりが鮮明である。

古都の仏像は、ひたすら痛ましさに直撃されて原爆資料館は、年齢を重ねた目で接すると、もっと多くのことが学べるだろう。授業より課外活動を重んじる学校なら、入学したい。

まず高校に入り、中学、小学校と逆コースの進路をたどれ、という。大賛成。卓見である。高校の分厚い参考書より、小学校の薄い教科書の方に大事なことがいっぱい載っていたのではないか。

卒業してかた、そう思う。だから、学び直すなら、目標は「小卒」逆、「小学校」では、月に一度、級友の誕生会があるだろう。加えて、年に何度か厳粛な「お別れ会」も、そんなことも想像してみる。

「還暦入学」は大事な教材に満ちている。佐々木さんの発想に脱帽する。