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損失

2011-11-28 08:13:56 | Weblog
オリンパスの巨額損失は、90年代の財テク失敗に端を発するという。10年以上とも、20年に近いとも言われる時間を隠蔽に費やしたことになる。

昭和20年の終戦に例えれば、昭和30年代後半か40年ごろに相当する。荒廃から立ち上がり繁栄の基盤を築いた時間とほぼ同じだ。

終戦時に生まれた子が成人している。企業の「寿命30年説」でいえば、生まれて、育ち、老後を迎える時間に近い。「20年後」というオー・ヘンリーの小説がある。

20年後の再開を約束した親友同士が出会う。一人は指名手配犯、片方は警察官になっていた。旧友を自ら逮捕するのに忍びなく、警官は現場を去る。

「20年の歳月は、善人を悪人に変えてしまう」のセリフがオチだ、日本のバブル期は罪つくりな時代だった。優良企業をカネの亡者に変えてしまった。投資家や消費者をあざむく不正企業に変貌させた。

一つのうそを隠すのに、いくつもうそを重ねる悪循環は、ひとりオリンパスだけの問題ではなかっただろう。不正に向けたエネルギーが、正当な企業活動に発揮されていたならと思う。この損失こそ計り知れない。