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老人会

2011-06-05 07:37:57 | Weblog
老人会が公園の清掃した。予定外の溝に入って掃除をしている人がいたので「けがでもしたら損するよ」と忠告した男性の投稿があった。

「市民なんだから」との答えが返ってきた。老人である前に一市民として掃除を続ける仲間に、声をかけた男性は自らを恥じたという。

曽野綾子さんの『老いあの才覚』(ベスト新書)を思い出す。「老人だから、○○してもらって当たり前」との風潮に異議を唱える一冊だ。震災後は『日本人の誇り』(藤原正彦著・文藝春秋)が売れている。

公より私を優先する傾向を懸念し、金銭より徳や人情を大切にしてきた日本の美質を取り戻せと説く。そういう2冊が、この時期に読まれるのは、先の男性のように、自問自答する人も多いことを意味している。

藤原さんの著書には、明治初期に来日した外国人の「貧乏人は存在するが貧困は存在しない」との言葉が紹介されている。モノはなくても心豊かに暮らす日本人が、欧米人には驚きだったのである。

いま、公の精神が問われている。震災は、何が大事かを浮き彫りにした。街角で、国会で、才覚と誇りを取り戻さねばなるまい。