デジカメぶらりぶらり

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相手の目

2011-06-03 06:43:23 | Weblog
震災で妻子を失った高校教諭がつづった日記が紙面に載っていた。重い言葉に胸が打たれる。

妻の安否を尋ねられ、「人の顔をよく見てくれ」と記す。「これが無事が分かってほっとしている顔かよ」。それでもこの人は、沸き返る怒りを抑えて、静かに首を横に振っただろう。

そんな光景も浮かぶ。気丈に振る舞おうとしても、隠し切れぬ悲しみがある。きちんと向き合えば、相手もそれが分かる。口よりも目の方が正直に心を映す。

話すときは相手の目を見よ。わけなく視線を外すのは礼儀に反する。そう教えてくれたのは戦前・戦中派の人たちだった。顔をよく見よ。そんな礼儀は薄れたようである。

謝罪や反省の言葉を口にしながら、視線はそっぽを向く人。ろくに人の顔を見ない言葉に、どれだけ心がこもっているのだろう。国会中継もそう。脇見をする質問者、よそ見しながらの答弁。相手よりメモのたぐいを見る審議に、どれだけ重みがあるのだろう。

節電を心掛ける折、早々にスイッチを切るのが賢かろう。