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ソロバン

2009-11-21 07:30:58 | Weblog
総勢2000人にも及んだという加賀藩の大名行列も、わらじが何足、飯は何食、宿は何軒、総額いくらか計算できる者がいなければ成立しなかった。

日清・日露戦争の「坂の上の雲」の時代も同じだった。陸海軍の戦費を算出できなくて明治国家はなかった。

幕末から維新へ。その大切な役に就いたのが、映画かされる「武士の家計簿」(磯田道史作)の主人公、加賀藩の猪山家がソロバンを携帯しながら戦場を駆けめぐったことはよく知られている。

藩祖以来の伝統が猪山家に伝わったわけでもなかろうが、大藩百万石の会計を経験したからこそ新国家のソロバンもはじけたに違いない。

いつの世も新時代は旧体制お土壌から芽を出す。維新は封建の世で育った世代が成し遂げ、昭和の戦後復興は大正世代が支えたという。

明治新政府にも古い加賀藩士がいて「国家の家計」を支えていった。壮大なホームドラムと言われるゆえんであり、ヒットの予感がする。